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2023.12.21
食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)については以下などでも掲載しておりますが
鶏卵による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)のケースの中で
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4748
今回は大豆による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)のケースについて掲載します。
ケース1:6カ月女児(出生歴:在胎 38 週 4 日,出生体重 2712g)
主訴:嘔吐 既往歴:なし 家族歴:アレルギーなし
生後5か月までは豆腐の摂取はなく、生後6か月時に豆腐(大さじ 1)の摂取から2時間後、嘔吐が見られた。約1週間後、豆腐(大さじ 1)の摂取から2時間後嘔吐し、大豆による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)が疑われ、7か月時、豆腐負荷試験目的に入院した。入院後、豆腐(大さじ1)を摂取し、摂取から2時間半後、嘔吐を認め、さらに10分後、再度嘔吐があり、ヒドロコルチゾン(副腎皮質ホルモン剤)の点滴静注とメトクロプラミド静注(消化器機能異常治療剤)を行った。顔色不良や血圧低下、体温低下は認めず、20分後、再度嘔吐し、嘔吐後は入眠した。その後、嘔吐や下痢症状は認めず、翌日退院した。繰り返す嘔吐から大豆による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と診断され、大豆食品の摂取を禁止して、外来フォロー中であり、以降嘔吐なく経過している。
ケース2:2歳9か月男児。8か月時に大豆による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES) を発症。1歳9か月時の豆腐の食物経口負荷試験(OFC)では陽性となり、除去継続。2歳9か月時に食物経口負荷試験(OFC)で陰性となり、その後摂取量を増加でき除去解除となった。
ケース3:7か月女児。6か月時に大豆 FPIES 発症。発症翌日には CRP 陽性、TARC高値あり。7か月時の豆腐の食物経口負荷試験(OFC)は陰性。その後摂取量増加でき除去解除となった。
ケース4:9か月女児。6か月時に大豆による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)発症。7か月時に大豆タンパク入りの調製粉乳を哺乳したところ翌日に頻回の下痢が出現。9か月時の豆腐の食物経口負荷試験(OFC)は陽性であり除去継続中である。
ケース2、ケース3、ケース4にて、発症直前の大豆摂取間隔について、連日大豆を摂取していておらず、摂取間隔は1週間以上の期間が空いていたと報告されています。また今後も他のケースなども掲載したいと思います。
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