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弁当用ピック誤飲による下咽頭異物

2026.05.10

投稿者
クミタス

楊枝などを含めた食べ物を刺して食べやすくする弁当用ピックが食材に刺された状態で、誤飲してしまう場合があります。
 
母手作りの弁当を公園に持参し、母・4歳の姉とともに食べていた1歳7か月男児が、ハンバーグを食した直後に苦しがり嗚咽した。すぐに母が背部叩打したところ、ハンバーグ片がでてきて、点状に血液が付着していた。その後も不機嫌で嚥下時に痛そうにしていたため救急搬送された。
医療機関に到着時、嗄声や呼吸困難は認めず、さほど不機嫌でもなく咽頭診察や画像検査(X線・単純CT)でも異物を指摘できなかった。単純CT検査で気腫や血腫の形成を疑う所見は認めなかったが、吐物に血液が付着していたこともあり、耳鼻咽喉科に診察を依頼した。喉頭ファイバースコピーで下咽頭に異物を確認できたため,緊急で全身麻酔下に摘出術を行った。異物の装飾部分が食道内に嵌頓し、刺す部分が下咽頭から食道にかけて存在していた。直達喉頭鏡を用いて展開し鉗子で摘出した。摘出は発症3時間後で、摘出後の喉頭ファイバースコピーにて披裂部の粘膜損傷を認め、誤飲時に生じたものと思われた。
術後は感染予防および披裂部の浮腫への加療として、抗菌薬静注、ステロイド静注、アドレナリン吸入、加湿酸素投与が行われ、咳以外に症状なく経過し術後3日目に退院した。再診時に37.5度で左披裂部腫脹を疑う所見がみられ内服抗菌薬を処方されたが、その後は改善し計3回の通院で終診となった(出典・参照:Injury Alert(傷害速報)No. 92 弁当用ピック誤飲による下咽頭異物)。
 
爪楊枝による消化管損傷136例(5~92歳 中央値52歳)をまとめた報告)では、50%以上が誤飲に気づいておらず、79%で穿孔をおこし,抜去部位は食道2%,胃20%,十二指腸23%,小腸18%,結腸37%との報告も見られています。上記報告内では誤飲を完全に防ぐことは困難であり、乳幼児が食べることを想定した弁当では,弁当用ピックを使わないことが何より予防につながることを示唆しています。ご留意いただければと思います。

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