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2023.12.01
食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)においても、原因食物の除去は症状出現の抑制につながり得ます。
国内での食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)において、原因食物となることも少なくない卵黄ですが、寛解についてはどのような状況なのでしょうか?
当院では卵黄による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と診断後、卵黄除去を開始し約半年後に初回寛解確認をする方針を2020年から新規卵黄食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)症例の全例を対象に施行している。その方針に則り、診療した卵黄の食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)症例の寛解時期について、診療録を参考に後方視的に検討したところ、対象33人(男12名)で、平均発症時期は生後8か月、診断は問診にて、卵黄摂取後の遅発性嘔吐のエピソードを複数回有するものとした。
卵黄特異的IgE陽性例は15名(45.5%)で、初回寛解確認目的の食物経口負荷試験の平均実施時期は生後17か月、平均除去期間は8か月間であった。食物経口負荷試験で寛解確認が出来た症例は17名(51.5%)であったが、負荷試験後の自宅での再摂取で陽性となり、負荷試験が偽陰性であった4例を除くと、寛解率は 39.3% であった(出典・参照:渡邊庸平 三浦貴朗 大友江未里 酒井秀行 久間木悟 国立病院機構仙台医療センター 卵黄FPIESの寛解時期に関する検討)。
卵黄による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)患者さんにおいては、小麦による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES) や卵白の即時型アレルギーを合併している方も見られており、他の食物による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES) や即時型アレルギーを合併している場合もありますが(出典・参照:渡邊美砂,山岡達宏,藤巻有希,早乙女壮彦 東邦大学医療センター大森病院小児科 卵黄食物蛋白誘胃腸症症例の臨床的特徴)、上記報告では卵黄による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)において、早期に寛解する場合もあることが窺えます。
また他の報告も含め掲載していきたいと思います。
鶏卵による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)のケースの中で
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4748
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