1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

点滴用複合ビタミン製剤によるアナフィラキシー

2023.07.19

投稿者
クミタス

栄養製剤によるアレルギーの例では、製品中に含有する成分の甘草(カンゾウ)やタウリンなどの報告も見られていますが
甘草(カンゾウ)による反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4090
栄養ドリンクに含有のタウリンにアレルギー反応を示した可能性
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4081
点滴用複合ビタミン製剤において、発症頻度は少ないもののアナフィラキシーに至る可能性があると示唆されています。
 
20代女性。下部消化管感染症に対し、抗生剤点滴に加え点滴用複合ビタミン剤を投与したところ、アナフィラキシーを発症した。原因精査では、点滴用複合ビタミン剤1%皮内テストが陽性となり、成分別検査ではビタミンB1誘導体のリン酸チアミンジスルフィドのプリックテストが陽性。点滴用複合ビタミン剤中のリン酸チアミンジスルフィドによるアナフィラキシーと診断された。
既報告ではビタミンB1誘導体間の交差反応はないとされていたが、自験例ではフルスルチアミン塩酸塩で陽性を示し、交差反応が示唆された(出展・参照:熊谷淳 足立厚子 永濱陽 山田はるひ 増田泰之 北村弘子 点滴用複合ビタミン剤中のビタミンB1誘導体によるアナフィラキシーの1例)。

ビタミンB1誘導体とは、ビタミンB1の構造の一部分を変化させた化合物になり、体内により吸収され優く、組織に移行しやすい面があります。総合ビタミン剤のマルタミンやエノシタビンの添加物としても使用されているポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60によるアレルギーの例などもありますが、ビタミンB1誘導体やビタミン製剤含有成分、またその他の成分による反応例について今後も掲載したいと思います。

    {genreName}

      {topics}