食物をゆでた際の蒸気を吸入しアレルギー症状が出現する例については、今までも掲載していますが、
小麦麺の湯気でアレルギー症状が出現した例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4038

家庭内での調理以外にも職業上で配膳時に繰り返し蒸気を吸入し、アレルギーを発症する場合もあります。

39歳女性。7年前から日本料理店で配膳係として勤務し、年に1回すっぽん料理を食べていた。3年前からすっぽん鍋の湯気によって、くしゃみと顔面にそう痒伴う紅斑が出現しており、すっぽん摂食時には咽頭の違和感があり、精査したところ、皮膚プリックテストでは、生のすっぽん肉と水煮したすっぽん肉とも陽性反応（3+）を認め、また抗原解析によりβ-パルブアルブミンを抗原とするすっぽんアレルギーと診断された（出典・参照：城理沙, 伊藤友章, 江草智津, 前田龍郎, 沼田貴史, 前賢一郎, 斎藤万寿吉, 原田和俊, 坪井良治 東京医科大学病院皮膚科 就労中に感作が疑われたすっぽんアレルギーの1例）

配膳に際し、同じ食物の蒸気を繰り返し吸入することで経気道、または経皮感作が成立し、経口摂取時にアレルギー症状が出現したと考えられる例ですが、特定の食物の蒸気を繰り返し吸入している環境下で症状を自覚した場合は、感作成立のうえアレルギー症状が出現した可能性も想定できると良いかもしれません。