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各オイルの脂肪酸組成について

2015.04.06

投稿者
クミタス

今回は主要な食用オイルの脂肪酸組成についてお送りします。
 

オメガ3脂肪酸主体


・えごま油・しそ油(オメガ3)
α-リノレン酸60%前後、リノール酸14~15% オレイン酸17%前後


・フラックスオイル(亜麻仁油)(オメガ3)
α-リノレン酸40~61%、リノール酸15~25%、オレイン酸14~26%、飽和脂肪酸10%程度


・インカインチオイル(グリーンナッツオイル、サチャインチオイル)(オメガ3)
α-リノレン酸53%、リノール酸33%、オレイン酸8%

最近日本でもインカインチオイルが入手しやすくなりました。

オメガ3脂肪酸の欠乏症例として、皮膚障害、皮膚アレルギー症状の悪化、四肢の感覚障害、歩行障害などの例の報告があります。オメガ3脂肪酸を積極摂取することで上記がかならず改善するとは限りませんが、改善する可能性はあります。

n-3系脂肪酸の欠乏症例など
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/59/2/59_2_123/_pdf
アトピー性皮膚炎に対するα-リノレン酸強化食療法の効果について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspaci1987/6/3/6_3_87/_pdf

ですが、オメガ3脂肪酸にも過多になると酸化しやすい特徴から、過酸化脂質の増加可能性があります。酸化させないような調理、保管を心がけるようにしたいところです。
 

オメガ9脂肪酸主体


・オリーブオイル
オレイン酸70%前後、リノール酸10%程度、パルミチン酸9%程度、ステアリン酸3%程度、α-リノレン酸約1%

加熱や溶剤抽出が必要でなく、果汁から遠心分離などで直接得た油はヴァージンオイル、特に高品質なものがエクストラヴァージンオイルになります。
ただオリーブオイルにも精製したものはあり、粗製オリーブポマースオイル、またはヴァージンオイルと混ぜたピュアオイルなどがあります。
エクストラヴァージンオイルは100℃程度でも煙が出ることがあり、純度が高いほど天ぷらや油炒めなど直接加熱する調理には向かない面があります。


・マカダミアナッツオイル
オレイン酸58.5%、パルミトレイン酸21.5%、パルミチン酸約8%、リノール酸約3%、ステアリン酸約3%

マカダミアナッツオイルはオメガ9脂肪酸主体ですが、オメガ7脂肪酸であるパルミトレイン酸を他オイルと比較しても多く含む点が特徴です。
パルミトレイン酸の研究は多くなく、まだ十分な評価段階ではありませんが、コレステロール値への関与可能性、CRP(炎症反応)低減の可能性を挙げる意見もあります。


・アルガンオイル
オレイン酸45%程度、リノール酸31%程度、パルミチン酸12.3%、ステアリン酸5.6%、ミリスチン酸0.1%、α-リノレン酸0.1%、トコフェロール
リノール酸も多く含みますが、無精製オイルであればトコフェロール(ビタミンE含む)も多く含むため、酸化を抑えられる面があります。


・アボカドオイル
オレイン酸70%前後、リノール酸8~18%、パルミチン酸11~18%、パルミトレイン酸6%程度、ステアリン酸5%、リノレン酸2%


・ピーナッツオイル
オレイン酸45%前後、リノール酸33%前後、パルミチン酸10%前後、ステアリン酸3%前後、リノレン酸3%前後


・アーモンドオイル
オレイン酸66%程度、リノール酸26%程度、パルミチン酸6.5%程度


・ごま油
オレイン酸40%前後、リノール酸42%前後、リグナン

低温圧搾、焙煎の後に圧搾、圧搾の後に精製し得られるパターンがあります。
純正ごま油とされているものは、ごま油のみの油という意味になります。


・菜種油(キャノーラ油)
オレイン酸60%程度、リノール酸23%前後

菜種油はアレルギー、アトピー症状のある方には、使用頻度の高い油でもありますが、菜種は遺伝子組み換えである物が多く流通しており、原材料:食用なたね油(遺伝子組み換えでない)と表記されていないものは、遺伝子組み換え菜種を原料としていると考えていた方が良いかと思います。

菜種油はコーン油同様、圧搾しても抽出できますが、大量に製造するために溶剤のヘキサン(ベンジンの主成分)でも抽出し、脱ガム、脱色、脱臭といった高熱処理を伴う精製工程を経るオイルが主流になります。
一番搾りの圧搾オイルであれば、精製工程を経ていないオイルになりますが、菜種油の菜種は大方遺伝子組換えの輸入原料でもあります。
脱ガム、脱酸、脱色、脱臭、脱ロウといった高熱処理を伴う精製工程を経たオイルは、トランス脂肪酸が発生し得ることになり、また酸化防止効果のあるビタミンEが消失し、酸化しやすくなるため水素添加をすることがあります。

菜種油には、遺伝子組み換えでない農薬不使用の菜種を使用した圧搾のみ、もしくは薬品での精製なしの油も流通しています。
国産菜種にはエルカ酸を多く含む点を懸念する声があり、現在は低エルカ酸の菜種の普及が進んでいます。低エルシン酸で非遺伝子組換えのカナダ産菜種による圧搾菜種油もあります。


・米油
オレイン酸42%前後、リノール酸36%前後、γ-オリザノール

米油は米ぬかが原料となり、国産原料のみで製造でき得るとも言えますが残留農薬について留意したい意見もあります。また大豆油同様、溶剤ヘキサンや界面活性剤による抽出、精製を経ることが殆どです。
圧搾のみの米油にはγ-オリザノールがより多く含まれます。
 

オメガ6脂肪酸主体


・麻の実油
リノール酸56%、α-リノレン酸20%、オレイン酸12%

α-リノレン酸を20%も含みますが、リノール酸も多く含みますので、他使用油とバランスを見て摂取できるとよいかと思います。


・くるみオイル
リノール酸61.0%、オレイン酸15.0%、α-リノレン酸12.5%前後、パルミチン酸8.0%、ステアリン酸3.0%

α-リノレン酸を12.5%前後、オレイン酸も含みますが、リノール酸も多く含みますので、他使用油とバランスを見て摂取できるとよいかと思います。


・グレープシードオイル
リノール酸65%前後、オレイン酸20%前後、パルミチン酸、ビタミンE、ポリフェノール

ワイン製造過程で残ったブドウの種を乾燥させ絞ることで、ポストハーベストリスクが少ない面もあります。
精製していない高品質なものは、ビタミンE、ポリフェノールも含み酸化安定性が高く、比較的肌にも低刺激との意見もあり、オリーブオイルと混ぜて使用するするなど使い勝手が良いオイルですが、リノール酸が多い面も考慮し、摂取バランスを考えるのが良いかと思います。


・コーン油
リノール酸55%前後、オレイン酸30%前後

コーン油はコーン胚芽を圧搾しても抽出できますが、大量に製造するために溶剤のヘキサン(ベンジンの主成分)でも抽出し、脱ガム、脱色、脱臭といった高熱処理を伴う精製工程を経るオイルになります。
一番搾りの圧搾オイルであれば、精製工程を経ていないオイルになりますが、コーン油のコーンは大方遺伝子組換えの輸入原料でもあります。
脱ガム、脱酸、脱色、脱臭、脱ロウといった高熱処理を伴う精製工程を経たオイルは、トランス脂肪酸が発生し得ることになり、また酸化防止効果のあるビタミンEが消失し、酸化しやすくなるため水素添加をすることがあります。


・大豆油
リノール酸53%前後、オレイン酸22%前後

大豆油の抽出源となる種子の含有油分が比較的少ないため、基本的に溶剤のヘキサン(ベンジンの主成分)で抽出し、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭、脱ロウといった高熱処理を伴う精製工程を経るオイルになります。
精製工程を経た油は、トランス脂肪酸が発生し得ることになり、また酸化防止効果のあるビタミンEが消失し、酸化しやすくなるため水素添加をすることがあります。水素添加をしますとトランス脂肪酸がより発生することになります。

一方でトランス脂肪酸の規制を行っている国では、水素添加なし、または水素添加量が少ない場合でも安定性の高い油脂を製造するため、大豆に含まれるリノール酸の含有比率を減らし、オレイン酸の含有率を増やした遺伝子組み換え大豆によるトランス脂肪酸低減油脂の製造が行われています。
また、大豆油の原料となる大豆はほとんど国産ではありません。


・ひまわり油(サンフラワー油)
リノール酸70%前後、オレイン酸、パルミチン酸

圧搾法でも抽出可能ですが、基本的にヘキサン抽出、精製になります。
リノール酸を多く含みます。


・紅花油(サフラワー油)
リノール酸68%前後、オレイン酸、パルミチン酸

圧搾一番搾りのものも一部存在しますが、基本的にヘキサン抽出、精製になります。
リノール酸を多く含みます。


・綿実油
リノール酸55%前後、パルミチン酸25%前後

綿は、大豆、菜種、とうもろこし同様に、遺伝子組み換え作物である物が多く、原油は有毒色素ゴシポール、遊離脂肪酸・リン脂質を多く含むため、精製過程を経ることが多いオイルです。精製されていない綿実油は殺虫剤として使用されることもあります。
精製においては、溶剤使用も行われるようになっています。
 

飽和脂肪酸主体


・パーム油
パルミチン酸約50%前後、オレイン酸41%前後、リノール酸10%、ステアリン酸、ミリスチン酸

植物油脂ですが、動物性油脂に多く含まれるパルミチン酸、ステアリン酸が主成分であり、牛脂など動物性脂肪に近い構成です。
常温で固体でありショートニングの代用になります。
パーム油は果肉から採取した油で、パーム核油は種子から採取した油になります。
安価であることから、菓子類など加工食品に広く使用されます。


オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸は酸化しにくい脂肪酸であり、リノール酸過多にならないよう留意したいところですが、油の種類、構成だけでなく、どういった原料を使用し、製造工程を経ているか、も含め使用を検討できると良いかと思います。圧搾法の一番搾りなど無精製のもので混合油でないもの、表示もしっかり表せていると言い難いですが、原料が遺伝子組換えでなくオーガニックか農薬不使用のものでもあるとさらに品質の面では安心できるものが多いとも言えます。

Author クミタスさん

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