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エイ刺傷によるアナフィラキシー

2026.02.09

投稿者
クミタス

アカエイなどのエイの尾の裏側の棘に毒が含まれていて、波打ち際や入り江などを歩いていて砂に埋まっているアカエイを踏んでしまい刺激するなどにより刺傷し、毒成分がヒトの組織内に入り、激しい疼痛やしびれなどの局所症状や失神、筋力低下、悪心、徐脈、けいれん、呼吸窮迫などの全身症状を示す場合もあります。
淡水エイ刺傷は、海水エイ刺傷と比較して、毒の成分の種類が多い、疼痛活性が強い、皮膚壊死などを呈する割合が高いなど、より重篤な症状を呈する可能性があるとの報告も見られています。
今回は、観賞用に飼育されていた淡水エイに刺されアナフィラキシーと手内在筋障害を生じたケースを掲載します。
 
観賞用に飼育されていた淡水エイのPotamotrygon leopoldiに刺され、アナフィラキシーおよび手内在筋障害を呈した10代男児の1例を経験した。来院時、SpO2の低下と膨疹があり、アナフィラキシーと診断しアドレナリン0.5mgを筋注した。手掌に約3mmの刺傷があったため、刺傷部の温水洗浄、破傷風トキソイド接種、セファゾリンナトリウムの投与を行った。第3病日に左手指の伸展障害とintrinsic minus肢位が出現し、MRIで手内在筋の腫脹および炎症所見があった。温浴療法を施行し、リハビリテーションを継続した結果、第95病日に後遺症なく終診した(出典・参照:勝見大誠 福島史人 速水宏 淡水エイ刺傷によりアナフィラキシーおよび手内在筋障害を呈した1例)。
 
淡水エイ刺傷は海水エイ刺傷より重篤な皮膚壊死をきたしやすい可能性が報告されており、淡水エイ(Potamotrygon falkneri)の毒は、海水エイ(Aetobatus narinari)の毒と比較して、タンパク質含有量が多く、プロテアーゼ、ホスホリパーゼA2、ヒアルロニダーゼなどの酵素活性が高い、また、淡水エイ毒による疼痛活性は、海水エイ毒の約2倍であったとの示唆も見られています。エイにおいては5~9月の浅い砂泥底や内湾、河口の汽水域の浅瀬での刺傷リスク、そして観賞用に飼育されているエイによる刺傷リスクにご留意ください。

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