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液体ミルクによるアレルギーの例

2023.03.05

投稿者
クミタス

乳児用の液体ミルクを災害時用に備蓄されているご家庭もあるかと思いますが、液体ミルクを摂取してアレルギー症状が出現したケースについて掲載したいと思います。

生後7か月の完全母乳栄養児。A社の粉ミルクを10ml飲んだ際にはアレルギー症状はなかったが、離乳食にB社の液体ミルク2mlを加えて摂取し2回の嘔吐と顔面の紅斑、発疹を生じ、C社の液体ミルク0.5mlを摂取し口周りの発疹を認めた。
皮膚プリックテストにて膨疹径は、A社粉ミルク0×0、B社液体ミルク8×5mm、C社液体ミルク3×3mm、
総IgEは38.1IU/mL、特異的IgE 牛乳1.85UA/mL、カゼイン<0.10UA/mL、α-ラクトアルブミン<0.10UA/mL、β-ラクトグロブリン1.99UA/mLであった。
粉ミルクにおいては、β-ラクトグロブリンを一部分解している製品もある一方、液体ミルクでは分解されていない製品があり、β-ラクトグロブリンがアレルゲンとなっている児においては、アレルギー症状を生じる可能性が示唆されています。
商品により含有する成分が異なることがあり、またタンパク質の分解程度が異なり、症状誘発性に違いがある場合があることにご留意頂くのが望ましいでしょう。
アレルゲン性の低減可能性〜熱処理、酵素処理
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4491

出典・参照:佐藤裕子 明石真幸 新横浜母と子の病院 慶應義塾大学医学部小児科 乳児用調整液状乳と乳児用調製粉乳でアレルギー症状の差を認めた牛乳アレルギーの1例

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