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イネ科植物花粉症と小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシー

2025.06.05

投稿者
クミタス

イネ科植物花粉とアレルギーに関しては以下にも掲載しておりますが、
イネ科植物花粉によるアナフィラキシーの例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2793 
イネ科植物と食物アレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3328 
今回はイネ科花粉症に交差反応して発症した小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの報告例について掲載します。
 
8歳男児。基礎疾患として4歳時発症の花粉症(ゴールデンウィーク後に症状あり)があった。初診の 2週間前、夕食摂取後に入浴したところアナフィラキシーを発症し、総合病院の救急外来で治療を受けた。その後、原因精査目的で当科受診。血中抗原特異的IgE検査で、夕食時の食物のうち小麦関連抗原特異的 IgEのみが陽性で、好塩基球活性化試験において小麦 phosphate-buffered saline 分画とアルカリ分画の添加で好塩基球の活性化を認めた。さらに血中抗原特異的 IgE 検査でイネ科花粉特異的IgEが強陽性であったことから、ハルガヤ花粉を用いた阻害試験を施行した結果、小麦水溶性タンパク質とハルガヤ花粉との交差反応を認めたため、イネ科花粉症に交差反応して発症した小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)と診断された。
なお20歳未満の小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシー患者さんで陽性となりやすい高分子量グルテニンについて、ドットブロット法にて解析を行ったが、患者血清IgEの結合は認めなかった(出典・参照:越智康之, 千貫祐子, 太田征孝, 高垣謙二, 山﨑修 イネ科花粉症との交差反応により発症した小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの小児例)。

イネ科植物による食物依存性運動誘発アナフィラキシーについては以下も併せてご覧ください。
症状出現までの時間〜小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4760
米が原因と考えられる食物依存性運動誘発アナフィラキシー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1949

花粉ー食物アレルギー症候群に関しましては以下もご覧ください。
PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)発症において
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2595
PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)の原因食物が摂取可能となった例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4434

イネ科植物花粉に対する皮下免疫療法による影響可能性〜じゃがいもアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4348
 

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