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つまようじの誤飲による消化管穿孔

2021.08.15

投稿者
クミタス

飲み込んだ魚の骨が胃壁を穿通したり、十二指腸、回腸、虫垂、横行結腸、S状結腸などの消化管に穿通、穿孔を生じることがあり、消化管穿孔を起こす異物としては国内では魚骨が最も多い原因物質に挙げられていますが、
魚骨による消化管穿通・穿孔
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3957
誤飲する異物に爪楊枝も挙げられ、回腸や上行結腸を穿通し膿瘍内を通過、腹壁に到達しており、下痢、腹痛が続し、腹部の皮膚に発赤が生じた例、膨満感、鈍痛、圧痛を生じ、深く触診し腫瘤を触知、回腸腸間膜に爪楊枝を確認した例、誤飲した爪楊枝により穿孔性腹膜炎を併発したS状結腸嵌頓左鼠径ヘルニアの例なども見られています。

誤飲においては、義歯による感覚消失、過度に冷たい or 熱い温度での喫食や過剰なアルコールの摂取などによる口蓋表面の知覚鈍麻、早食いによる不十分な咀嚼、視覚障害、精神疾患、認知症、年齢(低年齢/高年齢)などが背景にある場合があり、誤飲したことを自覚または伝達できていない場合もあります。
爪楊枝はX線、超音波、CTでの検出率が低い傾向もありますが、消化器症状が続く場合は、誤飲も視野にできると良いかもしれません。

出典・参照:天野隆皓 永岡栄風 間義弘 酒井敬介 日本赤十字社医療センター胃食道外科 異物誤飲歴から早期診断した爪楊枝による消化管穿孔の1例
麻生喜祥 吉敷智和 小嶋幸一郎 正木忠彦 阿部展次 須並英二 杏林大学医学部消化器・一般外科 腹壁膿瘍で発見された爪楊枝による小腸腹壁穿通の1例
森幹人 神宮和彦 望月亮祐 埼玉県厚生連幸手総合病院外科 誤飲した爪楊枝により穿孔性腹膜炎を併発したS状結腸嵌頓左鼠径ヘルニアの1例

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