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小麦を含む麺を茹でた湯気を吸入し症状出現していた児への経口免疫療法

2021.02.09

投稿者
クミタス

小麦にアレルギーのある方において、小麦を含む麺を茹でた湯気を吸入して、咽頭痛、喘息の症状をおこすことがありますが、
小麦麺の湯気でアレルギー症状が出現した例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4038
小麦の湯気を吸入して呼吸器症状が出現していた児に小麦の経口免疫療法を実施した後、小麦を含む麺のゆで汁の湯気を吸入して咳・喘鳴は誘発されなくなった例を掲載したいと思います。

5歳7か月男児。出生時から湿疹があり、アトピー性皮膚炎と診断されていた。6か月時に小麦特異的 IgE抗体価の上昇があり、小麦を除去していた。1歳11か月時にカレーを食べた後に顔面発赤、喘鳴が出現し受診。
3歳頃より、うどん店の前を通ると咳・喘鳴が出現し、家で麺類のゆで汁を流しに流すと湯気で喘鳴が出現した。その後も家族が同じ部屋でカレーを食べると咳が出現するなど、小麦の湯気による症状が続くため、小麦の経口免疫療法を行うこととし、5歳7か月で負荷試験のため当院に入院した。
総IgE594 IU/ml、小麦特異的IgE67.1 UA/ml、うどん負荷試験7.9gで左頸部に膨疹、まぶたに発赤が出現。1日1回うどん0.75gの摂取で免疫療法を開始し、1週おきに1.2〜1.5倍に増量した。症状は31回出現し、H1 Blocker の内服を15回、β刺激薬の吸入を13回、ステロイドの内服を1回行ったが、61週でうどん123gを摂取することができるようになった。開始3か月後にチャンポンの店の前を通過した時に、呼吸苦を訴えたが、免疫療法終了後、小麦を含む麺のゆで汁の湯気を吸入して咳・喘鳴は誘発されなかった(出典・参照:林大輔 市川邦男 筑波メディカルセンター病院 小麦湯気喘息を呈した小麦アレルギーにおける経ロ免疫療法の効果)

食物抗原を含む湯気を吸入しアレルギー症状が出現した場合においても、経口免疫療法が有効となり、摂食量も増量できた例として、ご参考になればと思います。

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