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ブリ、ハマチによる反応

2020.12.27

投稿者
クミタス

魚は成長、サイズに伴い様々な呼称もありますが、ブリ(スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属)は、成長、サイズの違いによりモジャコ、ワカナ、ツバス、ワカシ、ワカナゴ、イナダ、ハマチ、メジロ、ワラサと称されることがあります。

現在までに考えられている魚の主要アレルゲンとしては、
・パルブアルブミン(PA)
・コラーゲン
が挙げられますが、ほかに
・β-エノラーゼ
・アルドラーゼA
などもアレルゲンとなる場合があります。
例:
アトランティックサーモンでは、β-エノラーゼは Sal s 2、アルドラーゼAは Sal s 3
キハダマグロはβ-エノラーゼは Thu a 2、アルドラーゼAはThu a 3

魚のアレルギーにおいては、反応するアレルゲンによっては複数種類の魚にアレルギー症状が出現することがありますが、複数種の魚にアレルギー症状が出現しない可能性もあります。
ブリ、ハマチによるアレルギーの例では、25歳男性でブリ摂食後に蕁麻疹の出現を複数回経験しており、生寿司を摂食後に顔のそう痒と息苦しさを自覚し受診。魚介類のIgE-RAST検査ではすべて陰性、マグロ、カツオ、しめさば、アジ、ブリ、ハマチでの皮膚プリックテストでは、ブリとハマチのみ陽性であった。
ヒスタミン中毒やアニサキスアレルギーは否定的で、ブリ、ハマチ単独のアレルギーと考えられた例も見られています(出典・参照:林圭 西薫 堀仁子, 山本明美 名寄市立総合病院皮膚科 旭川医科大学皮膚科学講座 ブリアレルギーの1例)。

青魚(サバ、ブリ、アジなど回遊魚)や赤身魚(マグロ、カツオなど)、子牛肉、鶏肉、ハム、チェダーチーズ、ドライミルクなどに含まれるアミノ酸のヒスチジンにヒスタミン生成菌が付着すると、ヒスタミン産生菌が出すヒスチジン脱炭酸酵素により ヒスタミンが産生され、ブリでのヒスタミン食中毒例が見られています。
魚種によってもパルブアルブミン(PA)の分子構造に違いが見られ、相同性が異なり、アレルギー症状程度などに違いがある可能性もありますが、その魚固有のアレルゲンなど今後もアップデートしていきたいと思います。

また、名称が異なることで別の魚と認識して摂食し、症状出現してしまうリスクもありますので、異なる呼称も認識しておけると良いでしょう。
同じ魚で異なる呼称の魚
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1719

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