1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

電子タバコ関連肺障害のケース

2026.07.13

投稿者
クミタス

電子タバコ関連肺障害(e–cigarette or vaping product use associated lung injury: EVALI)は米国で多く報告されていますが、2020年に原因物質として考えられているビタミンE酢酸塩(以下VEA)に対する規制が強化されてからは減少傾向にあります。一方で日本国内では電子タバコの使用は増えていますがVEAを含まない製品が一般的であるため、EVALIの症例報告数は少ないものの、今回国内で販売された電子タバコを使用した後に生じたEVALIの症例報告を掲載します。
 
米国では2019年頃に電子タバコ関連肺障害(e–cigarette or vaping product use associated lung injury: EVALI)が多発し、その後のCDC調査でビタミンE酢酸塩(以下VEA)がEVALI患者のBAL(気管支肺胞洗浄液)から高頻度で検出されました。規制強化後、EVALI報告数は減少したとされています。
一方で日本国内では電子タバコの使用は増えていますがVEAを含まない製品が一般的であるため、EVALIの症例報告数は少ないものの、今回国内で販売された電子タバコを使用した後に生じたEVALIの症例報告を掲載します。
 
20歳代女性。気管支喘息の既往がある。喫煙歴はなく、電子タバコを来院1週間前に使用した。来院2日前から発熱と呼吸困難を主訴に前医へ救急搬送された。呼吸不全は重症であり、気管挿管、人工呼吸管理を開始され当院に紹介となった。十分な呼吸器設定でも低酸素血症が改善せずveno–venous extracorporeal membrane oxygenation(VV–ECMO)を導入した。Computed tomographyで両側のびまん性浸潤影がみられた。来院当日に抗菌薬とステロイド投与を開始した。入院8日目にVV–ECMOを離脱し、10日目に抜管、11日目にICUを退室した。気管支鏡検査、自己抗体、感染症、アレルゲンの検索を行い、重症呼吸不全の原因はなく電子タバコ関連肺障害(EVALI)と診断された。入院24日目に後遺症なく退院した(出典・参照:Veno–venous extracorporeal membrane oxygenationを用いて治療した若年者の重症電子タバコ関連肺障害の1例(Severe E–cigarette or vaping–associated lung injury in a young patient treated with veno–venous extracorporeal oxygenation: A case report))。
 
米国のEVALI症例でも、使用開始から数日〜数週間で発症することが多く、発症までの期間が短い傾向があり、重症化しやすい面もあります。電子タバコにおいても肺障害を起こし、溶剤、香料、添加物などが原因となる可能性があります。

    {genreName}

      {topics}