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50歳以降からのアレルギーの例など

2018.06.28

投稿者
クミタス

成人発症のアレルギーにおいては、仕事上で吸入、接触機会のある物質にアレルギー反応を示す職業性のアレルギー、投薬、手術時での薬剤やラテックス、金属類、蜂毒、化粧品などに使用される物質が原因でのアレルギー発症例もあり、50歳代以降に食物アレルギー、アレルギーと診断されるケースや、新規発症する場合もあります。

・食物アレルギー
20歳以上の方においては、小麦、魚類、甲殻類、果物にアレルギー症状のある方が多く見られています。
また、パン製造業、菓子製造業、製粉業、魚介類加工業、魚介類販売業、飲食店営業など職業上、小麦粉やそば粉を日常的に吸入したり、魚介類を触るなど、食物抗原との恒常的な吸入、接触機会がある中でアレルギー症状を発症するケースも見られます。うどん屋、そば屋の開業後に店主、従業員が、また住居近辺での開業にてお子さんにおいても吸入、接触機会が増え、アレルギーを発症することもあります。

・ラテックスアレルギー /ラテックス-フルーツ症候群 食物アレルギー
職業上、ラテックス製手袋を高頻度に使用している歯科、医療関係者での発症が多く見られますが、ラテックス製手袋着用時に切り傷ができ、ラテックスアレルゲンに感作し、アレルギー発症する場合もあります。また、ラテックス製手袋を使用した手術を受ける頻度の高い方での発症傾向もあります。
ラテックスアレルゲンとの交差反応性のあるクリ、バナナ、アボカド、キウイ、イチジク、パイナップル、パパイヤ、マンゴー、モモ、メロン、ジャガイモ、トマト、りんご、にんじん、セロリ、スパイスなどに、舌や口の中がピリピリする、のどや鼻腔がかゆい、皮膚のかゆみ、発疹や腫れ、腹痛、下痢、吐き気・嘔吐、頭痛、喘息発作、呼吸困難などのラテックス-フルーツ症候群の症状が出現する場合もあります(これらの果物、野菜の中には花粉との交差反応性により症状が出現するものも含まれます)。

・花粉‐食物アレルギー症候群(PFAS)/食物アレルギー
花粉と交差反応性のある果物、野菜、豆乳へのアレルギーは、成人での発症例も多く見られていますが、比較的年齢が進んでから診断確定されるケースも見られています。

71歳男性にて50歳頃より毎年春に花粉症症状、同時期よりバラ科果物摂取時に口腔咽頭の掻痒感があり、51歳時と2ヵ月前に豆乳摂取でアナフィラキシー症状があり、精査目的で他院に紹介され受診したところ、特異的IgE抗体値はシラカンバ花粉とバラ科果物 (リンゴ、モモ) で陽性、大豆は陰性、大豆の Gly m4と、シラカンバ花粉のアレルゲン Bet v1 に陽性を示し、シラカンバ花粉と大豆の交差反応による花粉食物アレルギー症候群と診断された(出典・参考:コンポーネント解析が診断に有用であった豆乳による重症アレルギー症例)。

・食物依存性運動誘発アナフィラキシー /食物アレルギー
77歳男性にて、食パンを摂食し労作後にショック症状を認めており、小麦によるアナフィラキシーと診断された後も、小麦含有食品を摂取し、4回症状が出現、その後、別の病院で食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断された例も報告されています(出典・参照:高齢で食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断した1症例)。

食物アレルギーを中心にお送りしましたが、成人発症のアレルギーの可能性があることを踏まえ、食後に繰り返し違和感や症状を自覚した場合は受診し相談できるのが望ましいでしょう。

職業上小麦粉を吸入することで喘息症状を起こすケースとは
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成育環境とアレルギー
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ラテックスアレルギーにおけるハイリスク者
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パウダー付でない天然ゴム製手袋への切り替え~医療用手袋に関する供給について ラテックス
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包丁で手を切りゴム手袋着用になってから
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