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食品保存について②~各条件での保存状態の違い

2015.06.03

投稿者
クミタス

食品保存にも様々な方法があることは、 食品保存について①~添加物使用以外の食品保存 でもお伝えしましたが、保存条件により状態にどのような影響をもたらすか、についての報告一例をご紹介します。

保存条件の違いによる品質への影響報告


〇加温煎茶のペットボトルと缶での栄養面での差異

ペットボトルの加温煎茶の賞味期限である2週間内での変化は小さいが
・主要カテキン類8種の含有量は5週間でペットボトル飲料で約14%、缶飲料で約10%減少した。
・ビタミンCはペットボトル飲料では約12%減少したが、缶飲料ではほとんど変化しなかった。

ペットボトル飲料は缶飲料と比較して容器の気密性が劣る点に起因しているものと推察される。

出典:ペットボトルおよび缶入り緑茶飲料の加温保存中における各種カテキン類および抗酸化能の変化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cha1953/2003/96/2003_96_69/_pdf


〇ペットボトルの柑橘果汁飲料の酸化をもたらす光の影響

・ペットボトルの柑橘果汁飲料が酸化した状態では、テルペン類が減少し柑橘特有の香気が減少すると共に、果汁内の脂質が酸化し、脂肪族カルボニル化合物が生成して油臭い異臭が付与された。

・この異臭は光照射1日で製品価値が失われる程急速な光劣化異臭が生じることがわかり、何らかの劣化促進因子の関与が推測される

・スダチ果汁飲料において同様な異臭を生じたが、レモン果汁2種では認められなかった

・光劣化異臭の対策としてビタミンCの添加および酸素バリア性ボトルの使用は酸化対策として有効であると認められ、酸素バリア性ボトルを併用することで適当量のビタミンCで光劣化異臭の生成が抑制し、かつ高品質な柑橘果汁飲料を提供できることが分かった。

出典:PETボトル詰柑橘果汁の光劣化異臭
https://www.shokuken.or.jp/report/27/27_009.pdf


〇包材のガス・酸素・水蒸気透過性とブロッコリーの栄養価への影響

・ガス透過性が低い包材では腐敗が起こり、ガス透過性が高いと黄化が起こるが、酸素透過性、水蒸気透過性の中程度の包材であれば外観上の品質は維持でき、糖やビタミンCの低下を食い止められる

出典:常温貯蔵中におけるブロッコリーの品質に及ぼす包装資材の影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/39/9/39_9_800/_pdf


〇光線と包材が魚肉ソーセージの脂質酸化に及ぼす影響

・魚肉ソーセージにおいて、色セロファンの光線に対する保護効果に関しては、赤や紫色が効果が大きく、橙や黄色は小さく透明色よりも小さい。

・魚肉ソーセージの退色に関しては太陽光下と蛍光灯下では大きな違いはない。

・アルミ箔を含む酸素透過度が0の包材においては37℃という高温で4週間保蔵しても、酸化臭の 発生もなく、魚肉ソーセージに含まれるニトロソ色素の破壊もほとんど生じない。

・魚肉ソーセージにおいては500~600nmの光線をカットすることでニトロソ色素の退色防止につながるが、食品によってカットが望ましい領域が異なる。
(牛乳の場合は蛍光灯照射によるフレーバーの劣化が、500nm以下の波長光をカットする黄色のプラスチックでランプを遮へいすることで抑えられ、綿実油の酸化においては300~400nmの範囲の波長光が最も酸化捉進し、400nm以下の波長光を遮断すれば酸化速度は急激に低下する)

出典:魚肉ソーセージの脂質酸化に及ぼす包装材料の影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan1932/54/3/54_3_517/_pdf


その商品に合った適切な保存条件を保ち、賞味期限の表示に誤りがなければ、腐ったりすることはありませんが、賞味期限内でも包材の種類や保存状態によっては、酸化が進み劣化する栄養もあります。

次回、家庭での適切な保存と保存目的で使用される添加物についてお送りします。

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