スプレー製品の使用下でスプレー製品に含有される成分を吸入し、肺障害をおこすことがあります。
防水スプレーの吸入による肺障害
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3642
トイレ消臭剤(LPG含有スプレー缶)への引火による全身熱傷
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4790
今回は、半閉鎖空間で日焼け止めスプレーを使用していて化学性肺炎をおこしたケースを掲載します。
午後7時0分頃、自室のロフトベッド(天井に近い部分に寝床があり、ベッドの下のスペースに工作用のテーブルを置き両脇に本棚を設置)の下部分の工作スペースで液体のりに、日焼け止めスプレーを噴霧して遊んでいた。10分ほど遊び、リビングルームに移動したところ呼吸困難が出現した。顔面蒼白で苦しそうにしているところを父親に発見され、父親が救急要請し搬送された。父親によると部屋の換気はされておらず、室内には日焼け止めの臭気が充満していた。
スプレー吸入(曝露)から1時間後の医療機関到着時、呼吸困難は改善しておりバイタルサイン、血液検査、身体所見の異常はなかったが,胸部X線写真で中葉から下葉にかけてすりガラス状陰影を認めた。曝露から2時間後、救急外来で経過観察中に呼吸困難が出現し下肺野で呼吸音の減弱があり、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)92%(room air)に低下していた。経過からスプレー吸入による化学性肺炎と考えた.酸素投与したところ呼吸困難とSpO2の改善が見られ酸素投与を中断した.曝露から4時間後、再度呼吸困難が出現し,SpO2 87%(room air)に低下したため鼻カヌラ酸素2 L/分の持続的投与を開始し,救急科病棟に入院した.曝露から6時間後に病棟で再び呼吸困難が出現し咳嗽も認めたため、去痰薬吸入を施行し咳嗽練習と深呼吸指導をしたところ,20分後に呼吸困難は改善した.以降8時間ごとの去痰薬吸入を継続し,翌日(曝露から19時間後)には呼吸器リハビリテーションも開始した.一方で,胸部X線写真では入院時と同様の所見を認めていた.徐々に症状は改善し,曝露から24時間時点では体動時の呼吸困難のみまで改善した.曝露から36時間後,酸素投与を中止し,48時間後には体動時の呼吸困難も改善した.60時間後に退院した.曝露から8日後の外来において撮影した胸部X線写真では,すりガラス状陰影の改善を認めた.その後も経過観察のため外来通院を継続しているが,曝露後6か月時点で無症状であり胸部X線写真で増悪を認めていない(出典・参照:Injury Alert(傷害速報)No. 149 半閉鎖空間での日焼け止めスプレー使用による化学性肺炎)。
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