
家畜の腸管には人の下痢症起因菌をはじめとして種々の病原菌が存在しており、食肉処理場等における解体時にこれらの病原菌により、食肉において汚染する場合があります。
関連食品と原因病原体の例
鳥刺し、鶏生レバー:サルモネラ属菌、カンピロバクター属菌
牛刺し、牛生レバー:サルモネラ属菌、カンピロバクター属菌、腸管出血性大腸菌
牛肉(生・加熱不足):無鉤条虫
馬刺し:住肉胞子虫
豚生レバー:サルモネラ属菌
豚肉(生・加熱不足):エルシニア属菌、有鉤条虫、旋毛虫
熊生肉:旋毛虫
エルシニア属菌の中で、食中毒起因菌として報告対象になっているのは、エルシニア・エンテロコリチカ(Y.enterocolitica)とエルシニア・シュードツベルクローシス(Y.pseudotuberclosis)で、腸内細菌科に属するグラム陰性の通性嫌気性桿菌であり、至適発育温度は28~29℃、4℃前後の低温でも発育可能とみられています。食中毒や集団感染事例の報告は少ないものの下痢症患者由来のエルシニアは多数検出されています。ブタの扁桃や腸管に保菌される以外に、シカ、イノシシ、ネズミなどの野生動物、イヌやネコなどのペットのふん便、河川水などからの分離が報告されていますが、食品からの分離例は生の豚肉がほとんどで、豚でのY.enterocoliticaの保菌率は高い傾向があります。Y.enterocoliticaの症状は、下痢を主体とした胃腸炎症状で、急性回腸炎、腸管膜リンパ節炎、また咽頭炎、心筋炎,髄膜炎などの症状を示すこともあります。Y. pseudotuberclosisの症状も胃腸炎が主ですが、発疹、結節性紅斑、咽頭炎、イチゴ舌、四肢末端の落屑、リンパ節の腫大、腎不全などの症状がみられることもあります。エルシニアは70℃で死滅することから、十分に加熱すれば健康被害を防ぐことが可能とも示唆されていますので、改めて加熱を十分におこなうことにご留意いただければと思います、
出典・参照:特集 感染症:診断と治療の進歩 Ⅲ.新興・再興感染症3.肉の生食と消化管感染症 寺嶋淳
東京都微生物検査情報(月報) - エルシニアによる集団感染事例と豚肉からのエルシニア検出状況
タイナイ おこめ食パン
252kcal/100g
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ひょこちゃん
モニターで頂きました。 …