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皮膚炎の原因物質の可能性〜両性界面活性剤の不純物

2023.05.30

投稿者
クミタス

シャンプー・ボディソープなどの多数の化粧品、ケア製品に含有されている、コカミドプロピルベタイン(CAPB)は両性界面活性剤の1つで、洗浄作用の陰イオン界面活性剤の性質と、コンディショナーとしての陽イオン界面活性剤の性質を併せ持ちます。なお、医薬部外品表示名はヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液となります。

コカミドプロピルベタイン(CAPB)はアレルギー性接触皮膚炎を引き起こすことがありますが、コカミドプロピルベタイン(CAPB)中に微量に混入する不純物は感作物質となり得るとも考えられています。

コカミドプロピルベタイン(CAPB)によるアレルギー性接触皮膚炎と考えられる方に、不純物を含めたパッチテストを施行したところ、
初診の1カ月前から、額と毛の生え際に発疹が出現し、その後、顔面、頸部、背部、胸部に拡大した64歳女性においては、パッチテストにて持参のシャンプー・ボディソープ1%水溶液およびその成分コカミドプロピルベタイン(CAPB)1%水溶液、ラウラミドプロピルベタイン(LAPB)1% 水溶液に陽性、さらに不純物であるラウラミドプロピルジメチルアミン(LAPDMA)0.05% 水溶液に陽性を示しており、シャンプー・ボディソープによるアレルギー性接触皮膚炎で感作物質はラウラミドプロピルジメチルアミン(LAPDMA)の可能性が考えられています(出典・参照:飯島茂子 村山佳代 髙山典子 秋山卓美 杉山真理子 松永佳世子 コカミドプロピルベタイン含有洗浄剤によるアレルギー性接触皮膚炎の1例―洗浄剤に含まれる不純物が原因抗原と考えられた例―)。
上記では界面活性剤を含有しない製品に変更後、皮疹は急速に改善しています。

ラウラミドプロピルジメチルアミン、医薬部外品成分:ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド液は、薬用石鹸、ボディソープ、シャンプー、リンス等、除毛剤、育毛剤、その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤、薬用口唇類、薬用はみがき類、浴用剤、染毛剤、パーマ剤で含まれていることがあります。他の報告も含め今後も追記したいと思います。

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