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小児サルモネラ菌血症とは

2026.08.04

投稿者
クミタス

小児サルモネラ菌血症とは、サルモネラ菌が腸管を越えて血液中に侵入し、全身性の感染症を引き起こす状態を指します。通常のサルモネラ感染症は「サルモネラ腸炎」として下痢・腹痛・発熱を中心に経過しますが、乳幼児では免疫機能が未熟であるため、菌が血流に乗って全身へ広がりやすく、敗血症や菌血症を起こすことがあります。
 
生来健康な幼児期の男児で発熱、下痢、経口摂取不良を主訴に来院した。入院時の血液培養及び便培養からSalmonella O13群を分離した。O13群が爬虫類と関連している可能性があることを主治医に報告し、爬虫類との接触歴を聴取したところトカゲを飼育していることが判明した。患者家族の承諾を得て、トカゲ及び飼育環境を調査したところSalmonella O13群が分離された。パルスフィールドゲル電気泳動(pulsed-field gel electrophoresis; PFGE)にて、患者由来株とトカゲ由来株が同一パターンを示したことから、同一クローンによる感染である可能性が高いと判断された。臨床との連携により、感染源の特定及び患者生活環境改善に寄与することができ、多職種連携の重要性を再認識する機会となった(出典・参照:毛利新菜, 有馬純徳, 長田昌美, 三嶋里恵, 森田奈那, 荒木猛 ペットとして飼育していたトカゲが感染源であると推定された小児サルモネラ菌血症の1症例)。
 
サルモネラ菌は鶏卵や食肉など食品由来の感染が一般的ですが、爬虫類(トカゲ、カメ、ヘビなど)や両生類は高率にサルモネラ菌を保有していることが知られています。これらの動物は健康に見えても腸管内に菌を持っており、糞便や飼育環境を介して人へ感染することがあります。特に乳幼児は手指を口に運ぶ行動が多く、家庭内で爬虫類を飼育している場合、接触感染のリスクが高まります。
 
小児サルモネラ菌血症の症状は、発熱、下痢、嘔吐、食欲低下などの腸炎症状に加え、全身倦怠感や不機嫌がみられることがあります。血液培養でサルモネラ菌が検出されると菌血症と診断され、入院のうえ抗菌薬治療が必要になります。上記の症例では、血液培養と便培養から Salmonella O13 群が検出され、さらに飼育していたトカゲから同じ菌が分離されました。PFGE(パルスフィールドゲル電気泳動)で同一パターンが確認されたことは、患者とトカゲが同一クローンの菌を共有していた=感染源がトカゲである可能性が高いことを示唆しています。再発予防においては、家庭内での衛生管理(手洗い、飼育環境の清掃、乳幼児との直接接触を避けるなど)が望ましいでしょう。

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