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ニンニクによるアレルギーの例

2022.09.18

投稿者
クミタス

ニンニクはヒガンバナ科ネギ属に分類される植物で、ネギ、タマネギ、アサツキ、ワケギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、エシャロットなども該当します。
ネギ、タマネギによるアレルギー例については、以下にも掲載しておりますが
タマネギによる反応、アレルギー反応例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2871
今回はニンニクによるアレルギーについて掲載したいと思います。

・運動により症状が悪化したアレルギー例
花粉症を有する13才女性。うどんすき・かつおのたたき・ラーメン・餃子などを食べたのちに蕁麻疹・呼吸困難を自覚することが複数回あり、症状が出現したときは、その前に運動をしていたことが多かった。
皮内テスト・プリックテストにてニンニク・シロネギ・タマネギ・アオネギに対して陽性反応を示し、これらの反応は加熱処理により減弱もしくは消失。花粉症に対する特異的lgEはスギ4+、カモガヤ2+、ブタクサ2+であった。内服テストのみでは鼻閉のみの症状であったが、内服後、運動負荷により呼吸困難、全身の紅潮が出現し,反応の増強効果が認められた。本例ではネギ属植物に対して交差反応可能性を認め、症状出現に運動負荷を必要とした(出典・参照:福永淳 松尾正文 大橋明子 堀川 達弥 市橋正光 神戸大学皮膚科 運動により症状増悪を認めたニンニク・ネギに対する食物アレルギー症例の検討)。

・摂食後皮膚症状が出現
3歳9か月の男児。2歳頃からにんにくを含む鮫子などを摂取し蕁麻疹が生じていたが、にんにくを除いた鮫子の摂取では症状を認めないことから,にんにくアレルギーを疑い,血液検査が施行された。末梢血白血球数7290/μ1、好酸球3.4%、総IgE値16901U/ml,にんにく特異的IgE抗体1.06UA/ml(class2)であり、にんにくによる感作が示唆された。にんにく除去が指示されたが、その後にんにく含有が疑われる鳥唐揚げの誤食で皮膚掻痒・発赤が生じた(出典・参照:小山晴美 八木久子 西田 豊 滝沢琢己 荒川浩一 群馬大学大学院にんにくアレルギーが疑われた低年齢児の一例)

ニンニクに含まれる成分の1つアリインと、含まれる酵素のアリナーゼが反応すると、硫黄化合物のアリシンが生成されますが、胃粘膜を刺激したり損傷させることがあり、また腸内細菌の中で細菌が死滅する場合もあり腸内環境が悪化し、腹痛や下痢などの症状が出現する場合もあります。
アレルギーの例においては、他のネギ属の例も含め、今後も掲載していきたいと思います。

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