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花粉-食物アレルギー症候群での口腔粘膜以外の症状、アレルゲンコンポーネント

2023.10.10

投稿者
クミタス

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)においては、口腔粘膜以外の症状が出現することがあり、カバノキ科花粉と豆乳との交差反応や、ヨモギ花粉とセリ科のセロリ、ニンジンやスパイスとの交差反応によるPFASなどもありますが、原因となる食物によって症状のタイプに違いはあるのでしょうか?
 
18 歳以下の PFAS 患者さんの臨床情報を取得し、花粉および食物、アレルゲンコンポーネント(PR-10:Bet v 1、Pru p 1、Mal d 1、Act d 8、プロフィリン:Bet v 2、Pru p 4、LTP:Pru p 3)の特異的 IgE 抗体価を測定したところ、
対象である118 例における PFAS 診断時の年齢の中央値は 9 歳で、原因食物はモモ 55%,キウイ 49%,リンゴ 41%,メロン 39%,スイカ 25% の順であった。
皮膚症状等の口腔粘膜以外の症状を 25% に認め、食物別にはみかん・オレンジ 25%(3/12 例)、大豆 25%(4/16 例)、梨 19%(5/26 例)、キウイ 17%(10/58 例)、イチゴ 14%(2/14 例)の 順であった。
アレルゲンコンポーネントにおいては、PR-10 への感作が 76%、プロフィリンが 63%、LTP が 48%、それぞれの単独感作が 16%、11%、3%で、口腔粘膜以外の症状ありの症例となしの症例でコンポーネントへの感作率に有意な差を認めなかった、との報告も見られています(出典・参照:小児期の花粉-食物アレルギー症候群:多施設共同症例集積研究 佐藤さくら 緒方美佳 渋川靖子 小池由美 三浦太郎 藤田英寿 牧田英士 谷口裕章 鈴木誠 石田和子 柳田紀之 海老澤元宏 国立病院機構相模原病院臨床研究センター「小児期の花粉-食物アレルギーにおける新規管理法の確立に関する研究調査」研究グループ)。

一方で、食物経口負荷試験で果物野菜以外においても口腔症状のみが見られることがあります。よろしければ以下もご参照ください。
口腔症状のみの出現がみられた食物とその割合~食物経口負荷試験下で
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4052
今後もまた追記したいと思います。

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