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パラベンによる皮膚炎

2022.07.01

投稿者
クミタス

パラベンといえば、化粧品に使用される防腐剤としても知られていますが、パラベンは接触性皮膚炎の1つの要因にもなります。
27歳女性。オコゼ刺傷による右下腿皮膚潰瘍に対して,ゲーベン®クリームを外用していたが難治のため当科を紹介受診した.潰瘍周囲に紅斑,丘疹が広がり,ゲーベン®クリームの外用を中止したところ,潰瘍部の肉芽形成が良好となり植皮術を行った.術後,顔や植皮部にヒルドイド®ソフト軟膏を外用し,瘙痒が出現していたが不定期に外用を続けていた.約1年後に全身に紅斑が拡大し,再度当科を受診.パッチテストでは,ゲーベン®クリーム,ヒルドイド®ソフト軟膏,これらに共通した添加物であるパラベンが陽性だった.最初の接触皮膚炎の診断時に原因成分までは特定しなかったため,パラベン含有薬剤の外用を継続し経過が長期化した(出典・参照:深井恭子 山口さやか 大嶺卓也 山城充士 眞鳥繁隆 高橋健造 琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学講座 下腿潰瘍に合併したパラベンによる接触皮膚炎の1例).

パラベンによる皮膚炎においては、超音波ゲルに含まれるパラベンが原因での接触皮膚炎の例などもありますが、パラベンに替わり使用されるイソチアゾリノン系防腐が原因で皮膚炎を生じることもあります。以下で掲載しておりますので、よろしければご参照ください。

イソチアゾリノン系防腐剤による皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2476
メチルイソチアゾリノンメチル、クロロメチルイソチアゾリノンによるアレルギー性皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/868

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