食物蛋白誘発胃腸炎（FPIES）においては、クローン病、潰瘍性大腸炎、乳糖不耐症、壊死性腸炎、消化管閉鎖、細菌性腸炎、偽膜性腸炎、溶血性尿毒症症候群、寄生虫疾患、新生児メレナ、メッケル憩室症、腸重積、幽門狭窄症、ヒルシュスプルング病、中腸軸捻転などとの鑑別が必要になることがあります。
今回は食物蛋白誘発胃腸炎（FPIES）と考えられたが、中腸軸捻転であった例を掲載したいと思います。

1か月の男児。嘔吐を主訴に初診。母乳負荷試験、加水分解乳による除去試験、抗原特異的リンパ球刺激試験から、乳による食物蛋白誘発胃腸炎（FPIES）と考えられた。嘔吐の頻度は減少したものの、その後も週に1回の嘔吐が続き、有症状時の腹部超音波試験でwhirlpool signを認め、中腸軸捻転と診断された（出典・参照：和田拓也 加藤泰輔 足立陽子 足立雄一 富山市民病院小児科 富山大学医学部小児科 反復性嘔吐を呈し、食物蛋白誘発胃腸炎（FPIES）と鑑別を要した中腸軸捻転の乳児例）

新生児期～幼児期におこる腹痛、嘔吐などの症状においては、腸回転異常症による中腸軸捻転が原因である場合もあります。
食物蛋白誘発胃腸炎については以下でも掲載しておりますので、ご参照ください。
小麦による食物蛋白誘発胃腸炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3362
カシューナッツによる食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1369
ホタテによる食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4286
バナナによる食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4043
魚類による食物蛋白誘発胃腸炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4003