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空気中の粒子とアレルギー

2022.01.09

投稿者
クミタス

職業に関連して起こる職業性喘息においては、粉塵が原因となり、持続した咳、たん、喘鳴、労作時呼吸困難生じることがあります。
穀物粉塵:こんにゃく粉、そば粉、小麦粉、大麦粉、稲わらなど
木材粉塵:ウエスタンレッドシーダー(米スギ)、スギ、ケヤキ、ラワン、カリン、紫檀など
その他粉塵:コーヒー豆、緑茶、干しエビ、いわしなど

空気中の粒子はエアロゾルと呼ばれ、主に粉塵は1~10μm、タバコ煙は0.11~1.0μm、小麦粉は(強力)10~130μm、(薄力)5~100μm、片栗粉10~90μm、コーンスターチ3~35μm、蒸気、ミストは10μm以下の液体の微粒子で、直径5~7μmの粒子は上部の気道への沈着率がより高く、直径1~3μmの小さい粒子は末梢気管支への沈着率が高くなる傾向があります。

小麦粉が空気中に浮遊する環境下で作業をしていて経鼻暴露し、鼻症状が出現することがあります。
34歳男性。パン製造に従事した2年後より就労時の鼻症状(くしゃみ、水性鼻漏、鼻閉)を生じ、特異的IgE抗体価(小麦、グルテン、小麦と同じイネ科のカモガヤ)、皮膚スクラッチテスト検査、小麦エキスによる鼻粘膜誘発試験は陽性を示した。就労中の抗原除去・回避指導と薬物療法を行ったが特に鼻閉に対する効果は得られず手術を施行した。術後症状は改善、就労への支障は消退し、喘息の発症は認めなかった(出典・参照:春名威範 岡野光博 藤原田鶴子 檜垣貴哉 假谷伸 牧原靖一郎 金井健吾 橘智靖 松山祐子 小松原靖聡 直井勇人 西﨑和則 Baker's rhinitis症例における小麦粉抗原に対するIgEおよび末梢血単核細胞応答の解析の試み)。

上記は就労2年で鼻症状が出現するようになり、喘息は発症していなかった方の例になりますが、環境、粒子とアレルギーについて、また今後も掲載していきたいと思います。

職業上小麦粉を吸入することで喘息症状を起こすケースとは
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1248

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