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下痢型過敏性腸症候群とニッケル

2021.12.03

投稿者
クミタス

食品から摂取される金属のうち、ニッケルは1日平均0.3~0.6mgが経口摂取され、約1~10%が腸管より吸収、吸収されたニッケルイオンは血中でアルブミン・アミノ酸と結合して存在し、尿・汗・乳汁中に排泄されるとの示唆もなされています。

43歳女性。数年前から下痢型過敏性腸症候群があり、1年前から掌蹠にかゆみを伴う紅斑が出現し、体幹にも皮疹が拡大したため紹介受診。初診時、かゆみ、小水疱(すいほう)を伴う丘疹と紅斑が前腕や体幹に散在し、掌蹠では特に痒みが強く、全体的に浮腫状で過角化(角質増殖、角質肥厚、角質増生)を伴う紅斑を認めていた。掌蹠の皮膚生検組織は、表皮は肥厚し、過角化と空砲変性を認め、真皮内にはリンパ球、好酸球の湿潤が見られた。
ニッケルのパッチテストが陽性で、ニッケル摂取による負荷投与試験で皮疹の誘発を認めた。ニッケル摂取制限をおこなうが、体幹の皮疹は改善するも掌蹠の皮疹は関知しなかった。ニッケル摂取制限に加えて、プロバイオティクス製剤の追加投与により、下痢型過敏性腸症候群と皮疹のどちらも改善した(出典・参照:森ひとみ 林周次郎 井川健 独協医科大学皮膚科 下痢型過敏性腸症候群を伴ったニッケルによる全身型金属アレルギーの1例)。

下痢型過敏性腸症候群の原因の1つとしてニッケルによるアレルギーの可能性が考えられており、上記はプロバイオティクス製剤の使用が下痢型過敏性腸症候群と皮疹の改善に有用であったと考えられる例の報告でもあります。
金属アレルギーと症状、対応について今後もアップデートしていきたいと思います。

全身型金属アレルギー~亜鉛の例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4268

掌蹠膿疱症と金属アレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4060

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