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皮膚常在菌と皮膚の状態について

2020.02.06

投稿者
クミタス

ヒトの腸管、皮膚などには約2Kgほどの微生物が存在しています。皮膚常在微生物の6割前後をプロピオニバクテリウム属菌が占め、皮脂が多い皮膚にはアクネ菌などのプロピオ二バクテリア属菌や表皮ブドウ球菌、湿った皮膚には表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌やコリネバクテリア属菌、乾いた皮膚にはプロテオバクテリア門やフラボバクテリアなどが常在しているとみられています。

表皮ブドウ球菌、アクネ菌、マラセチア菌が定着すると皮脂分解酵素(リパーゼ)が産生され、皮脂分解酵素(リパーゼ)により皮脂が分解されると脂肪酸(プロピオン酸など)とグリセリンがつくり出され、皮膚を弱酸性に保ち、弱アルカリ性を好む黄色ブドウ球菌の増殖を抑制します。
アトピー性皮膚炎患者さんなど皮膚炎症のある方においては、黄色ブドウ球菌の割合が増加していますが、pHが上昇しアルカリ性に傾くと透過性バリア機能が低下し、角層がはがれやすくなる、Th2型の炎症が生じやすくなる、またpH上昇自体が皮膚上の黄色ブドウ球菌の増殖を促進するとみられており、皮膚常在微生物叢(マイクロバーム)の多様性の低下が示唆されています。

皮膚の状態とpH
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3557

入浴をしていないと皮脂が多くなりマラセチア菌が増えますが、マラセチア菌が過剰になると癜風(でんぷう)・マラセチア毛包炎などを発症することがあり、またマラセチア菌が分解して生じた遊離脂肪酸などの物質や酸化した皮脂による刺激や、マラセチア菌に対する皮膚の反応により脂漏性皮膚炎を生じることがあり、ニキビにおける関与も考えられています。
アトピー性皮膚炎においても、マラセチアが関与する場合があるとの示唆があり、マラセチア由来抗原により症状が悪化する懸念も考えられています。

一方、長時間の入浴や頻回の洗浄、洗浄料の過剰使用により表皮ブドウ球菌は減少し、保湿剤塗布により黄色ブドウ球菌の割合は、減少するとの報告もあり、皮脂過多や乾燥を防ぎ皮膚の状態を良く保つことでも、皮膚常在微生物のバランスを保つことに繋がります。
またビタミンB2、B6は皮脂分泌を調整し得る面があります。

また、皮膚常在微生物叢(マイクロバーム)とバランスを良く保つための対策について追記していきたいと思います。


出典・参照:Clinical efficacy of emollients in atopic dermatitis patients – relationship with the skin microbiota modification
「アトピー性皮膚炎と皮膚マイクロバイオーム」 鈴木格
「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018」 ほか

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