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医薬部外品美白有効成分と接触皮膚炎

2025.06.08

投稿者
クミタス

3-O-エチルアスコルビン酸(3-O-Ethyl Ascorbic Acid,3-O-EA)は医薬部外品美白有効成分で、水溶性ビタミンC誘導体であり、従来のビタミンC誘導体と比べ構造が安定しているとみられています。メラニン生成抑制作用を発揮する上で即効性と持続性を持つと考えられ、色素沈着抑制作用や抗老化作用を目的として430種以上の化粧品に配合されており、チロシナーゼおよび TRP-2 活性阻害による色素沈着抑制作用、メラニン還元による色素沈着抑制作用、コラーゲン合成促進による抗老化作用を目的に使用されます(出典・参照:「第 122 回 日本皮膚科学会総会 教育講演31-3 最近のアレルゲンの動向」 東邦大学医療センター大森病院 皮膚科助教 伊藤崇 ほか)。
3-O-エチルアスコルビン酸は接触皮膚炎の原因物質となる場合があります。

・48歳女性。2日前に3種類の美白美容化粧品シリーズを使用し、翌朝顔面全体に瘙痒の強い浮腫性紅斑が出現したため受診した。
・50歳女性。5日前に美白化粧水を使用し、翌朝顔面の腫脹と瘙痒が出現したため受診した。
・55歳女性。半年前から両眼瞼の腫脹が出没していたが、2週前から眼瞼の腫脹と痒みが継続するため受診した。
全例で持参化粧品と化粧品成分の48時間閉鎖貼付試験(PT)を施行したところ、国際接触皮膚炎研究班(ICDRG)基準で美白化粧品as isでは+?や1+の反応であったが、その成分である3-O-エチルアスコルビン酸 10% aq. は48時間後〜1週間後まで 1+や 2+の反応であったことから、3-O-エチルアスコルビン酸によるアレルギー性接触皮膚炎と診断された(出典・参照:田代綾香, 久保田由美子, 梶田章恵 3-O- エチルアスコルビン酸による顔面接触皮膚炎の3例)。
上記報告では美白化粧品の持続使用により,3-O-エチルアスコルビン酸に感作後、短期間で顔面全体の浮腫性紅斑を呈したと考えられています。
美白化粧品に使用される成分で、水溶性のビタミンC誘導体である3-グリセリルアスコルビン酸による接触皮膚炎のケースは、以下に掲載しております。今後も化粧品による接触皮膚炎について追記したいと思います。
化粧品による接触皮膚炎のケースから
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2895
 

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