ジブカイン塩酸塩は、局所麻酔薬として使用され、アミド型局所麻酔薬としてはほかにリドカイン塩酸塩、ブピバカイン塩酸塩、メピバカイン塩酸塩、ロピバカイン塩酸塩、レボブピバカイン塩酸塩も該当します。過剰使用は、局所麻酔薬中毒などの有害事象を起こすことがありますが、ジブカイン塩酸塩は、主に痛みを抑える目的で市販の消毒薬にも使用されることがあり(例:ケーパイン消毒薬、サイレンQ、ケンエーシロチン、マキオール、新レブメントなど)、ジブカイン塩酸塩含有消毒薬を、皮膚の外傷部に使用した後で、瘙痒を伴う紅斑や水疱が出現し、接触皮膚炎、アレルギーとみられる反応を生じた例も見られています。
局所麻酔薬アレルギーにおいて、添加物として使用されることのあるメチルパラベン、ピロ亜硫酸ナトリウムなどによる反応の可能性も考えられますが、アミド型同士の交差反応は頻度が比較的高い可能性があるとの示唆もなされています。
60歳代女性。約20年前に歯科でのリドカイン塩酸塩による局所麻酔時に、嘔気・ふらつき・頻脈が出現し、安静にて軽快した。半年ほど前、耳鼻咽喉科でリドカイン塩酸塩による局所麻酔下に鼓膜切開術施行時も同様の症状が出現。左肘頭部粉瘤の切除目的で受診した際に、塩酸リドカインによるI型アレルギー反応を疑われ、アミド型局所麻酔薬およびエステル型局所麻酔薬について皮膚テストを施行したところ、アミド型局所麻酔薬のリドカイン塩酸塩、ジブカイン塩酸塩、ブピバカイン塩酸塩で陽性であった(出典・参照:複数のアミド型局所麻酔薬に即時型アレルギーを示した1例)。
アミド型局所麻酔薬は歯科などでの使用機会以外にも、消毒薬にも成分が使用される製品もあります。消毒薬を使用し皮膚症状を自覚した場合は、成分情報を確認のうえ、継続使用の必要性についても検討できると良いかもしれません。
局所麻酔薬とアレルギー、チャレンジテスト
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