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腸内細菌の話②~腸内細菌の状態とはたらき

2014.11.23

投稿者
クミタス


前回、腸内細菌の話①~腸内細菌バランスを保つために で腸内細菌の概要についてお話しました。
今回は腸内細菌がどういう状態でどのようにはたらくかについてお送りします。

腸内細菌の主な役割


腸内細菌の役割としては、腸内細菌の話①~腸内細菌バランスを保つために でもお送りしましたが、主に以下の観点は重要です。

・ビタミンの生成
ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンK(脂溶性ビタミン)、パントテン酸、葉酸、ピオチン

・免疫系の発達を高める
マウスの話ですが、腸内細菌の全く生息しないマウスは無菌状態では通常マウスより1.5倍ほど寿命が長かったのに、通常の生活に戻すと、周囲の細菌にあっという間に感染して死んでしまうという報告もあります。
無菌状態で一生生活することはまず不可能で、様々な感染リスクがある日常生活においては、除菌、抗菌を心がけるよりも、腸内細菌と共存し、免疫系の発達を高めることが大事です。

どの程度の生菌が腸に届くか?


ヨーグルト、乳酸菌飲料を摂取することで、腸のビフィズス菌、乳酸菌が増える、腸管運動が活発になり便秘が治る、そしてビフィズス菌、乳酸菌は生きたままの状態で摂取し、胃酸に負けなければ、大腸に到達し定着する、そしてさらに増殖もし得る、という印象を持たれている方もいらっしゃるかと思います。

ですが、胃だけでなく小腸を通る過程でも、抗菌ペプチドや胆汁酸、細菌の鉄代謝を阻害して殺すラクトフェリン、好中球、マクロファージなどにより、外から取り込んだビフィズス菌、乳酸菌は殺されてしまいます。中には自らの酸でも死んでしまう性質が強い菌もあり、大腸には到達できてもごく一部でもあります。

殺菌されたビフィズス菌、乳酸菌の有効性とは?


では死んでしまったビフィズス菌、乳酸菌では意味がないのでしょうか?今では必ずしも生菌である必要はないという説があります。

その理由として以下等が挙げられます。
・新鮮な生菌よりも死菌の方が分子サイズが小さく、腸に広がりやすく腸管から吸収されやすい
・死菌の方がサイズが小さい分、菌数を多く摂取できる。ある程度の効果を上げるには菌数が重要
・小腸の絨毛萎縮は生菌だけでなく死菌でも可能
・腸内にいる善玉菌を助けて増やすには生菌だけでなく死菌でも可能
・エンテロコッカス・フェカリス菌の場合、細胞膜自体に効果があり、菌の生死にかかわらない
・菌そのものだけでなく菌生産物質による効果に期待

ビフィズス菌、乳酸菌の生産物質


ビフィズス菌、乳酸菌そのものへの期待だけでなく、ビフィズス菌、乳酸菌が生産する物質による効果が期待されています。
乳酸菌が生産するものに、多糖体があります。
この多糖体は粘りがある特徴があり、ビフィズス菌、乳酸菌が生産する多糖は、ガラクトース、グルコース、ラムノース、EPSと呼ばれ、研究が成されています。
乳酸菌の生産物質、菌体物質には、腸内の乳酸菌を増やす効果があるとも言われています。

腸内細菌が生成しているものとして、他にセロトニン(体内の95%を生成)も挙げられます。

腸内細菌とアレルギーの関係


免疫系に関与するリンパ球と呼ばれる細胞の一種にT細胞があります。T細胞はTh1型、Th2型があり、このバランスが良い状態では問題はありませんが、Th2へとバランスが傾くとアレルギーになりやすくなると言われています。
ビフィズス菌や乳酸菌のラクトバチルス菌などは、T細胞をTh1へ誘導する働きがあるとの意見があり、これからのさらなる解明を期待したいところです。
 


腸内細菌を増やすためには、① でも記したビフィズス菌、乳酸菌のエサになる物が必要になりますが、必ずしもビフィズス菌、乳酸菌を生きた状態で摂取することだけに注力する必要はありません。ですが、生菌主体のヨーグルトを食べるのにより適した時間としては、胃酸は空腹時ではより酸が強いため、食前などの空腹時でない方が多少は良いかと思います。

様々な菌株が含まれたヨーグルトの効果として挙げられるものには、論理上こういった効果が期待されている、という意味のものも多くあります。そのことも踏まえつつ、次回は様々なヨーグルト製品についてお送りします。

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