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食物経口負荷試験で陽性となる可能性のある方の属性① 9.13更新

2019.08.29

投稿者
クミタス

食物経口負荷試験の実施例から、食物経口負荷試験で陽性となる方の傾向として以下などによる影響可能性が挙げられています。
・特異的IgE抗体値が高い
・アナフィラキシーの既往、誘発症状が重症
・不必要な食物除去
・アトピー性皮膚炎の増悪

2歳未満の小児142人(年齢中央値1歳5か月)
A.即時型の全身症状の既往ありで除去していた 34人
B.口周囲症状のみで全身症状の既往なしで除去していた 18人
C.感作のみで未摂取 90人
を対象に鶏卵負荷試験をおこなったところ、
A.総IgE 58.8UA/mL 卵白IgE 4.97UA/mL オボムコイドIgE 2.56UA/mL
B.総IgE 82.5UA/mL 卵白IgE 5.66UA/mL オボムコイドIgE 1.95UA/mL
C.総IgE 99.9UA/mL 卵白IgE 8.32UA/mL オボムコイドIgE 0.62UA/mL

固ゆで卵白計15g以上を症状なく食べられた群を陰性とした場合の陽性率は
A.44.1%(15人/34人)
B.11.1%(2人/18人)
C.15.6%(14人/90人)
であり、口周囲症状のみで全身症状の既往なしで除去していた児では、即時型の全身症状の既往ありで除去していた児よりも、食物経口負荷試験での陽性率が低い可能性がうかがえます。また、この分析では血液検査で陽性で摂取していなかったC群は、口周囲症状のみで全身症状の既往なしで除去していた群よりも陽性率が高い結果となっています(出典・参照:除去理由別にみた鶏卵負荷試験陽性率の検討)。

病院と2つのクリニックでアレルギー専門医が実施し、統一基準を満たした408回の鶏卵経口負荷試験結果と患者背景因子の関連を後方視的に解析した。クラス2、3症例についてロジスティック回帰解析を行うと、0~1歳児で総除去食物数、2~3歳児でアナフィラキシーの既往が陽性リスク増加因子であった。アトピー性皮膚炎は0~1歳でリスク低下、2~3歳で増加因子であった(出典・参照:鶏卵アレルギー経口負荷試験結果を予測する因子について:病院とクリニックにおける負荷試験症例比較による解析)

低月齢で発症し、早期に特異的IgE抗体価が低下する場合は、耐性獲得しやすい可能性があることも示唆されており、年齢や他のアレルギー性疾患の併発、アレルゲン(コンポーネント)などにより異なってくるのか、についても掲載していきたいと思います。

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