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食物アレルギーの検査②~好塩基球活性化試験(BAT)について

2022.04.04

投稿者
クミタス

好塩基球活性化試験(BAT)は採血によるアレルギー検査法になり、アレルゲンによる好塩基球活性化マーカー (CD63、CD203c)の発現変化を解析します。
保険適用ではありませんが、卵 (卵白、オボムコイド)、牛乳 (乳タンパク、カゼイン)、小麦 (可溶性画分、粗製グリアジン、ω5 グリアジン)、スギ花粉、ほかにも自家調整により任意のアレルゲン (薬、化粧品、食品など) の測定も可能でもあります。同じく血液検査である特異的IgE抗体値検査よりも生体の反応に近い結果となるとも見られており、また実際に摂食する食物経口負荷試験よりも安全性が高い面もあります。

乳アレルギーの疑いのある86人の小児を対象に、乳アレルゲンを用いた好塩基球活性化試験(BAT)の成績を二重盲検プラセボ対照 食物経口負荷試験と比較したところ、IgE依存性の乳アレルギーにおいて、好塩基球活性化試験(BAT)は感度、特異度ともに100%であった(出典・参照:The Basophil Activation Test reduces the need for a food challenge test in children suspected of IgE-mediated cow's milk allergy.)、など、症状の強い方、微量にアレルギー反応を示す方において有効な検査法である可能性が示唆されています。

食物アレルゲンに感作した後、体内に再び侵入したアレルゲンは、組織の粘膜や結合組織に存在する造血幹細胞由来の細胞の肥満細胞(マスト細胞)上の特異的IgE抗体に結合します。複数の特異的IgE抗体がアレルゲンにより結合すると、肥満細胞(マスト細胞)が活性化し、顆粒に含まれる炎症性メディエーターが放出されて、IgE 依存型アレルギーがおこります。
同様の反応は白血球中に1%弱存在する好塩基球でも起こり、活性化した好塩基球は最終的には脱顆粒し、炎症性メディエーターを放出します。活性化した好塩基球では、細胞表面上のCD63やCD203cの発現量が増えますが、好塩基球活性化試験(BAT)ではこの発現量を調べることでアレルギー反応を細胞変化として直接捉えられ、臨床症状をより反映し得る面があります。
好塩基球活性化試験(BAT)においては、陽性判定基準がまだ確立されていないなどの課題もありますが、皮膚プリックテストや特異的IgE抗体検査が陽性でも、好塩基球活性化試験(BAT)で低下、陰性となっている場合においては、耐性獲得している可能性も期待できる面もあり、また特異的IgE抗体検査がない希少アレルゲンにおいての検査や、アナフィラキシーリスクのために皮膚プリックテストが実施しにくいアレルゲンにおいての検査において好塩基球活性化試験(BAT)が有用となる可能性もあります。
また今後も情報をアップデートしていきたいと思います。

出典・参照:食物アレルギー診療ガイドライン2021 ほか

食物アレルギーの検査①~特異的IgE抗体測定について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3042
抗IgE抗体について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2545

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