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サンスクリーン製品の含有成分による反応

2024.03.17

投稿者
クミタス

日焼け止め(サンスクリーン)製品の含有成分により、接触皮膚炎や光線過敏症などを発症する場合があります。
 
原因となる場合がある物質例
 
・リゾレシチン(両性界面活性剤。目的:乳化、保湿、エモリエントなど)
接触性皮膚炎を発症することがあります。
28歳女性。それまで使用歴のなかった化粧品を使用するようになって約1ヵ月後より顔面にそう痒を伴う紅斑が出現するようになった。パッチテストを行ったところ,某化粧品メーカーの日焼け止めと保湿乳液が陽性であった。成分パッチテストでは,これらの化粧品に含まれるリゾレシチンで紅斑を認め、リゾレシチン含有の化粧品による接触皮膚炎と診断された(出典・参照:リゾレシチン含有の化粧品による接触皮膚炎の1例)。
 
・ポリビニルピロリドン(PVP/ 1-triacontene copolymer)(目的:皮膜形成、粘度調整、乳化安定など)
接触皮膚炎を発症することがあります。
 
・トリエタノールアミン(目的:中和)
接触皮膚炎を発症することがあります。
 
・オキシベンゾン(紫外線吸収剤)
ケトプロフェンとの交叉感作性が報告されており、光線過敏症を発症する場合があります。
 
・アボベンゾン(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン)(紫外線吸収剤)
光線過敏症を発症する場合があります。
48歳女性。ケトプロフェン含有湿布剤で左足背の光接触皮膚炎を起こした翌年の夏に、前腕にサンスクリーンによる光接触皮膚炎を起こした。ケトプロフェン含有湿布剤の成分別光パッチテストにて、ケトプロフェンの光パッチテスト陽性とともに、ケトプロフェンの光感作を抑制させる目的で添加されていたUVA吸収剤アボベンゾンに、パッチテストおよび光パッチテスト陽性を示した。翌年夏に光接触皮膚炎を起こしたサンスクリーンにはアボベンゾンが含まれていたため、原因成分と考えられ、以降アボベンゾン含有サンスクリーンは使用中止となった(出典・参照:湿布剤中のアボベンゾンにより感作されたサンスクリーンによる光接触皮膚炎)。
 
・オクトクリレン(紫外線吸収剤)
ベンゾフェノン骨格と類似する構造を有していないものの、ケトプロフェンとの共感作性が示唆されており、光線過敏症を発症する場合があります。またオクトクリレンによる接触皮膚炎を生じることがあるとの示唆もあります。
 
・水酸化Al/水酸化アルミニウム(表面改質)
 
ほかにも香料、保存料、染料、また植物抽出物を含め上記以外の物質に反応する場合もありますが、今後追記したいと思います。
 
日焼け止め剤による光接触皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4449 

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