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うがい薬を使用する際に

2019.01.16

投稿者
クミタス

うがい薬にはポピヨンヨードを含むイソジンなどの製品があります。ポピヨンヨードはヨウ素にポリビニルピロリドン(PVP)を結合させた水溶性の複合体で、ポビドンヨード1g中に有効ヨウ素は100mg含まれます。皮膚の創傷部位に使用されるきず薬製品(1ml中 ポピドンヨード100mg) よりもポピドンヨード含有量が少ないうがい薬製品ですが(1ml中 ポピドンヨード70mg)、使用上留意しておきたい点もあります。

・過敏反応
発疹、発赤、かゆみ、口腔内のあれ、灼熱感、刺激感、吐き気などをおこす場合があります。副作用の可能性がありますので、使用中止のうえ、医師、または薬剤師に相談ください(参照:添付文書)。

・アレルギー、アナフィラキシー
ポリビニルピロリドンにアレルギー反応が出現した例の報告もありますが、使用後すぐに皮膚のかゆみ、じんましん、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識混濁に至る場合がまれにあります(添付文書に記載)ので、観察を十分に行い異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、受診、エピペン使用など状態に合わせた対応をおこないましょう。
参照:イソジン®液中のポリビニルピロリドンによるⅠ型アレルギーの1例

・接触皮膚炎
原液、薄めていない液などに長時間接触することで皮膚変色、接触皮膚炎をおこす場合があります。新生児においては特に皮膚からもよく吸収されるため留意しましょう。

・甲状腺機能低下症
口腔粘膜、熱傷部位、腟などでは吸収されやすいために、長期間または広範囲に使用すると血中ヨウ素濃度が上昇し、過剰に摂取したヨウ素は甲状腺細胞の中に蓄積され、甲状腺ホルモンを作る過程が妨げられるなどの可能性から、甲状腺ホルモン産生が低下してしまうおそれがあります。

・歯科金属腐食による影響
ポピドンヨードは金属腐食性があり、歯に金属の詰め物、入れ歯などの金属を多く使用している方は特に、歯科金属が溶出し、金属アレルギーを起こすリスクが高まる場合があります。
種々の含嗽剤溶液中でのタイプ4金合金(PGA)、金銀パラジウム合金(S12),コバルトクロム合金(CoCr)および純チタン(TI)の電気化学的腐食挙動と溶出金属元素量について調べたところ、薬用リステリン、ネオステリングリーン,、コンクールF溶液中においては,いずれの歯科用合金も高い耐食性を示したが、イソジン液中ではタイプ4金合金からは、金、銀、銅、パラジウム、白金、亜鉛が、金銀パラジウム合金からは金、銀、銅、パラジウム、亜鉛が溶解し、金銀パラジウム合金では腐食生成物の生成が認められた(出典・参照:含嗽剤溶液中での歯科用合金の耐食性)

甲状腺機能障害のある方は使用前に医師、薬剤師に相談のうえ、過去にアレルギー症状を起こした方は、使用をお控えください。

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