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新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸炎とカルニチン欠乏

2025.02.16

投稿者
クミタス

カルニチン欠乏に関しては、以下にも掲載しておりますが
乳幼児期の栄養欠乏~多品目の除去から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3087
今回は新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸炎の児でカルニチン欠乏に至ったケースについて掲載します。

在胎 39 週6日。出生体重3310gの女児出生時に異常はなかったが日齢2より頻回の嘔吐を認めたため精査加療目的にNICUに入院した。諸検査から器質的疾患や感染症は否定的であり新生児・乳児のFPIESと考えた。日齢10よりカゼイン加水分解乳、日齢12より調整粉末大豆乳を試したが、嘔吐は継続し中心静脈栄養を余儀なくされた。日齢24にアミノ酸乳に変更してから、嘔吐は改善した。 日齢42に肝機能異常および貧血の進行を認め、カルニチン分画を測定したところ、総カルニチン, 遊離カルニチン、アルカルニチンはいずれも低値であり、補充を開始した。 便中好酸球、抗原特異的IgEは陰性でありアレルゲン特異的リンパ球刺激試験は、 K カゼイン、ラクトフェリン、ヒトαラクトアルブミン、 βカゼインは陽性だった(出典・参照:カルニチン欠乏症をきたした新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸炎の1例)。

カルニチンは、L-カルニチン、アセチル‐L-カルニチン、プロピオニル‐L-カルニチンなどの総称で、アミノ酸由来の物質になります。カルニチンはエネルギー産生において重要な役割を果たしており、長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に運搬、燃焼することでエネルギーを産生し、さらに生成された有毒物質をミトコンドリア外に運び、蓄積を防ぐ役割などを担っており、骨格筋や心筋に多く存在しています。
カルニチンの欠乏症状、多く含まれる食品については以下をご覧ください。
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3087
また他の栄養に関しても掲載したいと思います。

出典・参照:national institutes of health Carnitine ほか

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