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たらこによるアレルギー

2018.08.21

投稿者
クミタス

いくらのアレルゲン、交差反応性については、以下でも掲載しておりますが、
いくらにアレルギーがある場合、他の魚卵にもアレルギー反応を示すのか?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1138
いくら、たらこ、かずのこ間で交差反応性が見られるとの示唆もなされていますが(※1)、単一種類のみにアレルギー症状を示す例が見られています。

たらこによるアレルギー症状としては、ほかの魚卵摂取時の症状にも挙げられる口腔掻痒感、発疹、嘔吐、胸部圧迫感、嚥下困難などがあります。
魚卵アレルギー患者さんの血清中には、さまざまな魚卵構成タンパク質と反応する特異IgEが存在すると見られていますが、共通して反応する可能性があるタンパク質としては、β'-コンポーネントが考えられています。β'-コンポーネントは、肝臓で合成されたタンパク質であるビデロジェニンが卵母細胞で分解されて生じるタンパク質の一種になります。

ほかの魚卵にアレルギー症状はなく、たらこのみにアレルギー症状を示した方で、主要原因抗原がピテロジェニンであると考えられる例の報告もなされていますが、抗体が認識する抗原の一部分が他の魚卵と交差しない固有の構造をもつのではないか、との示唆もなされています。

リポビテリン、ホスビチンなどのタンパク質がアレルゲンの場合もありますが、魚卵アレルギーにおいては、複数種類の魚卵にアレルギー症状を示すとは限らない面もあります。摂取開始時期が比較的遅い食物の1つに魚卵は挙げられますが、魚卵の中でも摂取可能なものもある可能性があることを踏まえ、摂取できるのが望ましいでしょう。

出典・参考:タラコアレルギーの解析
※1 魚卵アレルギーにおけるアレルゲンの解明と魚種間の免疫学的交差性の調査
IgE結合能からみた魚卵(イクラ、タラコ、カズノコ)間の関係 ほか

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