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アクリル酸エステルによる接触性皮膚炎~アクリル樹脂、レジン 7.8更新

2018.07.04

投稿者
クミタス

ネイルにはネイルチップ、アクリリックネイル(スカルプチュアネイル)、ジェルネイルなどがあります。ネイルチップは、接着剤(グルー)で人工爪を自爪に貼りつけます。まつげエクステンションでも使用されるシアノアクリレート系の接着剤が多く使用されていますが、シアノアクリレート系接着剤の成分が原因で接触皮膚炎を起こすことがあります。
アクリリックネイル(スカルプチュアネイル)は、アクリル系液体のモノマーとパウダー状のポリマーを混合し重合、硬化させますが、エチルメタクリレート(EMA。メタクリル酸エチル)などが接触皮膚炎の原因物質になることがあります。
ジェルネイルは、ジェル状のアクリル樹脂を塗布後に、UVA(長波長紫外線。ultraviolet A)を照射し硬化させますが、2-ヒドロキシエチルメタクリラート(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)などが接触皮膚炎の原因物質になることがあります。

ジェルネイル用とは成分が異なりますが、紫外線硬化アクリル樹脂を使用したレジンアクセサリー制作を素手でおこなっていて、手指が痒く、紅斑が見られるようになり、手袋をして制作をしても皮疹が再燃。アクセサリー制作は中断したものの、その1か月後にアクリレート含有化粧品を顔に塗った直後にも紅斑が出現し、パッチテストで2-ヒドロキシエチルアクリレート(アクリル酸2-ヒドロキシエチル)などの複数のアクリル酸エステルに陽性を示した例も見られています(出典・参照:アクセサリー制作でアクリル樹脂に感作され、同一のアクリレート含有化粧品でも誘発された接触皮膚炎の1例)。

ネイルにおいては閉鎖環境をつくり、ネイルを外すまで症状に気付かないことで、重症化したり、治療に時間がかかる場合もあります。どなたにおいても症状が出現するというわけではありませんが、アクリル酸エステルは歯科材料にも使用されることがあり、アクリル酸エステルの経皮感作により、別の含有製品に症状出現する場合もあります。アクリル酸エステルが皮膚に付着して皮膚の痒み、腫れなど症状や違和感を自覚するようになったら、医師に相談のうえ、早めに使用を中断や治療ができるのが望ましいでしょう。

アクリル酸エステル:アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ジメチルアミノエチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチルなど

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