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アドレナリン投与における傾向一例

2018.06.16

投稿者
クミタス

アナフィラキシーを起こした場合の対処として第一選択は、アドレナリン投与になりますが、オランダでの報告(Small percentage of anaphylactic reactions treated with epinephrine during food challenges in Dutch children)では、食物経口負荷試験実施下で起こったアナフィラキシーにおいて、アドレナリンを投与した例が少ないことを挙げています。

オランダにて2005年~2015年の期間での、鶏卵、牛乳、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツでの食物経口負荷試験実施下で、アナフィラキシーを起こした83人の小児(男児43%、年齢中央値7歳、年齢範囲1〜17歳)のうち、アドレナリンが使用されたのは32人(39%)で、胃腸症状においては呼吸器症状に比べ、アドレナリン投与頻度が優位に低かった。

症状は時間を経て出現し、遷延、重症化する場合もありますが、胃腸症状においては、持続する強い腹痛(自制外)や繰り返し嘔吐・便失禁がある場合、また過去に重篤なアナフィラキシー歴のある方での強い腹痛、複数回の嘔吐・下痢においては、アドレナリン投与を考慮する、との考え方も示されています。
腹痛の程度は客観的にも判断が付きにくい面もありますが、トイレでの急激な体位変化や、自立神経系の変調によりショックを来す場合もある、との示唆もありますので、食物経口負荷試験実施下以外でも、注意を払えるのが望ましいでしょう。


出典・参照:食物アレルギー診療ガイドライン2016

エピペンを誤射した場合、どうなるか?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2482
無呼吸発作について~食物アレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2463

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