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自家製米粉パンが硬くなるのはなぜ?

2016.10.25

投稿者
クミタス


自家製パンは生地の水分量や焼時間を調整していないと固くなりやすい面がありますが、米粉でつくるパンは小麦でつくるパンよりもより固くなりやすい傾向にあります。
米粉でのパン作りでより失敗しないようにするコツとは何でしょうか?
前編では適した米粉の特性について、後編では米粉パンづくりにおける対策についてお送りします。

アミロース含有率


うるち米にはアミロース、アミロペクチンのでんぷん質が2前後:8前後で含まれます。もち米ではアミロースをほぼ含まず、うるち米の中でもアミロースが少なくアミロペクチンが多い品種では粘りが多くもちもち感が増します。一方、インディカ米や高アミロース品種のうるち米などのアミロースが多くアミロペクチンが少ない米は、糊化しにくくパサっとした硬さのある食感になります。

米粉めんにおいては、水に溶けにくく、めん同士がくっつきにくい点において、粘りの少ない高アミロース米が適しています。

米粉パンにおいては、高アミロース米の米粉でなくても膨らみますが、形のよいパン焼成にはアミロース含有率が20%~25%超程との試験結果もあります。
しかし、低アミロース米に比べ高アミロース米は吸水性、吸油性が高く、水分量、油量を調整していないと固くパサついた仕上がりになりやすくなり、高アミロース米の米粉でのパン製造においては、焼成後、冷えるとアミロースが老化し硬くなりやすくなります。
低アミロース米の場合は、腰折れが起こるなど膨らみは良くないものの、しっとり感があり、焼成後に硬くなりにくく、膨らみと硬さのバランス上では、アミロース含有率が中程度の炊飯して食べるうるち米の米粉を使用するのが適しているとも言えます。

高アミロース米(一例)
越のかおり、ミズホチカラ、モミロマン、ホシニシキ、ゆきひかり、ホシユタカ、夢十色など

アミロペクチン鎖割合


米や餅の硬化にはアミロペクチン鎖割合も影響すると考えられています。アミロペクチンは鎖長での違いがあり、アミロペクチン鎖長の長鎖割合が高く、短鎖割合が低い品種のうるち米は硬化性が高くなります。
インディカ品種は短鎖割合が低く中鎖割合が高く、長鎖割合の高い米で製造したパンは膨らみには影響しないか軽微と考えられるものの、硬化を早める傾向があります。

米粉パン製造においては、形状よく焼成するにはアミロース含有率が高い品種の米粉を使用、または同等の状態にする、アミロペクチン鎖の短鎖割合が高い品種を使用、または同等の状態にすることが望ましく、糊化デンプンの硬化が遅いパンは硬くなりにくいということになります。

製粉による米粉の状態


同じ品種の米を使用していても製粉技術により米粉の状態に違いがあり、粒子の大きさに留意するだけでなく、損傷でんぷんの割合程度による影響に留意する必要があります。
小麦粉においてもでんぷんの損傷はあり、損傷でんぷんの割合は製品によっても異なりますが、米粒は小麦粒よりも硬さがあり、製粉時に熱や圧力、衝撃などででんぷん質が損傷すると、吸水性がさらに高まります。もともと、米のでんぷんは小麦のでんぷんよりもでんぷん粒が小さく吸水性が高いのですが、でんぷん損傷率が高いことは、パンを膨らみにくくする要因の1つとなります。

理想は粒子が小さく、でんぷん損傷率が低いことですが、粒子を小さくする過程でも製粉技術によってはでんぷん損傷は免れないところにもなるため、適度な製粉が必要になります。
米粒に水分を含浸させやわらかくした後で粉砕、気流粉砕機の使用などがおこなわれている製品もありますが、でんぷん損傷割合の低い米粉は膨らみを出したいパン用米粉に、粒子の細かい米粉はお菓子用米粉に向いているとも言える点も加味し、使い分けることも有用となり得ます。

このように、既に米粉製品の時点でパン焼成に向いているもの、そうでないものがありますが、より失敗しないで調理するにはどうしたらよいか、後編でお送りします。


参考:米粉パン適性に関する育種学的・生理学的研究
アミロペクチン鎖長分布に基づくデンプン特性解析法
米粉パン適性に関する育種学的・生理学的研究

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