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えび、かにを食べる魚を原材料に使用する製品に、えび、かにのタンパク質はどれくらい含まれるか?

2016.08.01

投稿者
クミタス


①「本製品で使用しているしらすは、エビ、カニが混ざる漁法で捕獲しています。」また、②「原材料の魚はえび、かにを食べています。」といった表示を見かけることがあるかと思います。
このような表記がされている場合、最終製品中にどのくらいえび、かにが含まれているのでしょうか?

網で分別せずに捕獲した、あるいは甲殻類を捕食している魚介類を原材料とした加工食品として

■海苔製品
・85検体中27検体から「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出(陽性率 31.8%)
・このうちエビ等級の(小えびが付着している)海苔では3検体中2検体で20μg/g以上の「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出
・エビ等級の(小えびが付着している)海苔以外で陽性となった24検体での検出は平均3.1μg/g
・「まれにエビの一種付着あり」、「エビエキス」と表示された検体からも、「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出限界以下であった
・海苔の産地と「えび」、「かに」等の甲殻類の混入との関連性は認められなかった。

生息領域が近いと同じ網で混獲され、それが製品に混入しやすくなりますが、上記報告内での海苔製品全体としては、7割弱において「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出されなかったことが伺えます。
表面に小えびが付着している2級品扱いのエビ等級海苔においては、20μg/g(20ppm)以上の「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が6割超で検出される可能性があることが伺え、等級の低い海苔においては、エビ、カニの付着リスクが高まる可能性があります。
えび、かに含む特定原材料(表示義務7品目)においては、10μg/g(10ppm)以上含まれる場合を目安にコンタミネーションにおいても、原材料においても表記が必要になります。
えび、かにが混入し海苔に必ず含まれるということであれば、海苔はえび、かにを原材料として用いていると考えられますので、本来であればコンタミ表記ではなく原材料に表示が必要になります。

■しらす、ちりめんじゃこ等のいわし稚魚製品
・52検体中48検体から高頻度に「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出(陽性率 92.3%)。
・そのうち26検体では「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が10μg/g超含まれた

実際にしらす、ちりめんじゃこのパック商品を見ていると、小さなえびやかにが入っていることが目視で確認できることがあります。10μg/g超含まれている場合は、アレルギー症状が出現し得るレベルになってきますので、少量のえび、かににアレルギー症状のある方は、摂取に留意が必要です。

■すり身
・132検体中59検体より「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出(陽性率44.7%)
・このうち11検体から10μg/g以上の「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出

この報告内でのすり身全体としては5割超においてえび、かにが検出限界以下だったということになりますが、検出される場合、オキアミをはじめとする甲殻類を捕食する魚を原材料にする際、魚の消化管内容物がすり身肉に混入した結果として甲殻類タンパク質が検出された可能性が考えられます。

魚種によっても甲殻類タンパク質の含有量が異なり
スケトウダラ~74検体中14検体(陽性率18.9%、陽性検体の平均濃度1.8μg/g)
ミナミダラ~6検体中1検体(陽性率16.7%、陽性検体の平均濃度 0.7μg/g)
イトヨリダイ~16検体中14検体(陽性率87.5%、陽性検体の平均濃度5.8μg/g
グチ及びタチウオでは12検体中5検体より20μg/g以上

小型の魚をすり身に使用する場合、消化管が取り除きにくくオキアミをはじめとする消化管内容物の残留が多くなる、消化管も使用される場合があることなどが影響するためか、えび、かにの残留がよりおこり得る可能性があります。

■二枚貝
・36検体中3検体から「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出(陽性率 8.3%)
・その3検体すべては、20μg/g以上の「えび」、「かに」等の甲殻類由来のタンパク質が検出

二枚貝にカクレガニが共生していると含有量が高くなる傾向にあります。

出展・参考:
網で分別せずに捕獲した、あるいは甲殻類を捕食している魚介類を原材料とした加工食品として、海苔製品 85 検体、いわし稚魚製品(しらす、ちりめんじゃこ等)52 検体、すり身132検体、二枚貝36検体の305 検体
食品原材料中に含まれる「えび」、「かに」等の甲殻類タンパク質の実態調査


平成22年時に宮崎市内で購入可能な市販食品を対象にした調査では以下のような結果となっています。

■魚肉練り製品
・10製品中6製品においてえび、またはかにが検出(PCR法)
・10製品中5製品で甲殻類タンパク質が3.8ppm以上検出(ELISA法 甲殻類キット)
・そのうち2製品で甲殻類タンパク質が10ppm以上検出(ELISA法 甲殻類キット)
・①や②と同形式の表示がない1製品から1.7~2.9ppm検出(ELISA法 甲殻類キット)

■粉末いりこ
・4製品中3製品からえび、またはかにが検出(PCR法)
・4製品中1製品で甲殻類タンパク質が13.7~15.3ppm検出(ELISA法 甲殻類キット)
・①や②の表示のない2製品から1.6~9.9ppm検出(ELISA法 甲殻類キット)

昆布・海草類5製品、魚介類発酵食品3製品、惣菜等2製品からは検出されなかった。

出展・参考:食品に含まれるアレルギー物質(えび、かに)の実態調査

①「本製品で使用しているしらすは、エビ、カニが混ざる漁法で捕獲しています。」、②「原材料の魚はえび、かにを食べています。」
といった表記がなされている商品のすべてで、エビ、カニが検出されるわけではなく、表記しているけれど検出限界以下、検出されても10ppm未満である商品もある中、少数ですが①や②の表記をしていなくても表記している商品と同等ほど検出される商品もあります。

表記されているから多く含まれるというわけではなく、表記していないからまったく含まれないというわけではない現状は憂慮するところではありますが、海苔においては表面などにえび、かにの付着がないかの確認をすることでも、摂取量を抑え得るところでもあります。商品選択上参考に頂ければと思います。

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