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植物の種類と交差反応性(前篇)

2015.10.19

投稿者
クミタス

あの野菜の科は?  同じ科の果実は?  で、同じ科の野菜、果物に該当するものついてを取り上げましたが、今回は植物の科と交差反応性についてお送りします(前篇)。




 

同じマツ目ヒノキ科のスギ・ヒノキの花粉と交差する野菜


スギはマツ目ヒノキ科スギ属、ヒノキはマツ目ヒノキ科ヒノキ属と、スギとヒノキは科まで同じ植物になります。

スギ花粉とヒノキ花粉間には交差反応性があることが示唆されており
参考:スギ花粉症の患者さんの75%はヒノキの花粉にも反応
specific IgE to Japanese cypress (Chamaecyparis obtusa) in patients with nasal allergy

スギ花粉症の半数がカモガヤ花粉症を合併、
参考:萩野敏也 耳鼻臨床94(12)2001

スギ花粉症の方の約20%が、ブナ目のハンノキに抗原感作しているとの報告があり
出典・参考:アレルギーの領域 5 (6)761-765.1998

スギ花粉症におけるOAS合併の頻度は、シラカバ花粉症におけるOAS合併の頻度と比べると低く、7~16%とも言われています。
出典・参考:アレルギー 45(8・9), 1028, 1996-09-30、アレルギー 47
(ここでのOASはPFSを指していると思われます)

そして、スギ花粉、ヒノキ花粉と交差反応性が報告されている植物の種類は多くはなく、ナス科のトマトが挙げられています。

カバノキ科植物と交差反応


ブナ目にはカバノキ科、ブナ科も含まれますが、カバノキ科には、ハンノキ、シラカンバ、ハシバミ(セイヨウハシバミの実はヘーゼルナッツになります)、ブナ科にはブナ、コナラ、クヌギ、樫の木、シイの木も含まれ、「どんぐり」はブナ科植物になる実の総称になります。

ブナ目の植物間では強い交差反応性が示唆されており、ブナ目の植物にアレルギー反応を示す場合、ハンノキ花粉、シラカンバ花粉、ヘーゼルナッツ、どんぐり、オーク材にも反応が出ることがあります。

また、ハンノキ花粉症の方の50%で、交差反応のある果物にPFSの症状が出現するとの報告もあります。
アレルギー症状出現において花粉との関連が報告されている果物、野菜は以下になります。

シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ花粉(いずれもカバノキ科)と交差反応性のある果物、野菜
バラ科(りんご、西洋なし、さくらんぼ、桃、すもも、あんず、アーモンド)
セリ科(セロリ、にんじん)
ナス科(じゃがいも)
マメ科(大豆、ピーナッツ)
マタタビ科(キウイフルーツ)
カバノキ科(ヘーゼルナッツ)
ウルシ科(マンゴー)
ししとうがらし ほか

キク科植物と交差反応


ブタクサ、ヨモギはキク科植物であり、ブタクサ花粉とヨモギ花粉間で交差反応が示唆されていますが、それぞれでは以下植物との交差反応性が挙げられています。

ブタクサ花粉:ウリ科(メロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニ)、バショウ科(バナナ)。
ウリ科の中でもカボチャのアレルギーの頻度は高くはないとされています。

ヨモギ花粉:セリ科(ニンジン、セロリ)、バラ科(リンゴ)、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、マタタビ科(キウイ)、ナス科(じゃがいも、トマト)、マスタード、ヒマワリの種、ハチミツ、アニス

キク科植物のカモミール、カミツレ花粉、オオブタクサにもアレルギー症状が出る場合があります。

イネ科植物と交差反応


イネ科植物で花粉にアレルギー症状が誘発され得るものとしてはカモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ギョウギシバがあり、イネ科植物間で強い共通抗原性があると言われています。

また、スギ花粉症の方の50%においてカモガヤ花粉症を併発しているとの意見もあります。
参考:萩野敏ほか 耳鼻臨床94(12) 1073-1078,2001

アレルギー症状出現において花粉との関連が報告されている果物、野菜は以下になります。

カモガヤ花粉・オオアワガエリ花粉:ウリ科(メロン、スイカ、キュウリ)、ナス科(トマト、じゃがいも)、ミカン科(オレンジ)、マタタビ科(キウイ)、玉ねぎ、米、小麦

オオアワガエリ(ティモシー草)花粉については、海外の文献などでは、リンゴ、ライチ、トマト、セロリ、コーン、ピーマン、パプリカとの交差反応性を挙げるものもあります。

他植物の花粉と交差反応性


他植物の花粉で交差反応性を挙げる意見があるものに以下があります。

アカザ花粉:バショウ科(バナナ)、ウリ科(メロン)、バラ科(桃)
(まれにネクタリン、アスパラガス、キウイ、ポテト、オリーブ、タマネギ)
アカザはヒユ科(植物分類によってはアカザ科)の雑草で、国内では8月~10月中旬くらいまでの時期に主に花粉飛散しています。
 

花粉飛散量は地域差があるため、陽性抗原率は地域によって違いがあり、陽性抗原となる割合は、北海道・東北ではスギ、カモガヤ花粉が低く、関東はスギ花粉が高くヨモギ花粉は低い、東海ではカモガヤ花粉が高くハンノキ花粉は低い、近畿ではハンノキ花粉、ブタクサ花粉、ヨモギ花粉が高く、中国・九州はハンノキ花粉が高めとなっています。
参考:鼻アレルギー診療ガイドライン 2009

次回、後篇として、他の植物においての交差反応性についてお送りします。

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