1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

甜菜について

2015.08.06

投稿者
クミタス

甜菜は放射性セシウムの移行が高い作物


コメや小麦といった穀類だけでなく野菜や果実においても土壌からの放射性物質の移行はありますが、放射性セシウム137の土壌から農作物への移行係数をまとめたレポートがあります。

農林水産省 農地土壌中の放射性セシウムの野菜類及び果実類への移行の程度
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/pdf/110527-01.pdf

移行係数=農作物中のセシウム137濃度(生鮮、Bq/kg)/土壌中のセシウム137濃度(乾土、Bq/kg) 

移行係数が高い畑作物一例(土壌中の放射性物質を吸収しやすい)
甜菜(アカザ科) 0.047
カラシナ(アブラナ科) 0.039 
サツマイモ(ヒルガオ科) 0.033
ソラマメ(マメ科) 0.012
ジャガイモ(ナス科) 0.011

なかでも甜菜は放射性セシウム137の移行性が高い作物です。甜菜同様にキヌア、アマランサス、そばといった双子葉類は単子葉類よりも放射性セシウムの移行性が高くなり、アマランサスの移行係数は0.020~0.354と高く、アマランサスは除染効果の高い植物とも評されます。イネ科植物も移行性が高いですが、中でもネピアグラスという多年草はさらに吸収力が高いとされています。
https://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000303/20140306-OYT1T01500.html

移行係数が比較的低い野菜、果物
メロン(ウリ科) 0.00041
タマネギ(ユリ科)0.00043
トマト(ナス科)0.00070
ぶどう(ブドウ科)0.00079
キャベツ(アブラナ科)0.00092

ちなみに作物にセシウムが移行しやすい条件としては以下が挙げられます。
・土壌が酸性に傾いている
・土壌内のカリウム量が足りない

作物にセシウム移行しないようにする施策としては以下があり、対策が取られてもいます。
・表土削り取り
表土を地下に埋め変えるという策もあります
・石灰を撒くことで中性化させる
移行量が1/3~2/3になるとの意見も
・カリウム肥料の投与
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo02/fukkou/pdf/2-2.pdf

甜菜は畑作物の中で最も施肥量の多い作物


甜菜は好硝酸植物で、多くの野菜も好硝酸植物ですが、他の畑作物と比べると生育において窒素、リン酸、カリウムを多量に必要とします。甜菜の栽培においては、肥料10a当たり生産費(87,663円)の24%を肥料費が占めており、肥料費は10a当たり21,039円にも上り(平成20年北海道産)、畑作物の中で最も高い施肥量となっています。
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000196.html

この肥料の中には、根への移行性が高いものもあります。

基本的に農薬は使用


残留程度は通常は許容範囲内ですが、甜菜栽培においては殺菌剤、殺虫剤、除草剤、生育調整剤といった農薬は基本的に使用されており、国産の甜菜糖で農薬不使用のものはまずありません。また農薬使用量も他の畑作物と比較しても少ない部類ではありません。

甜菜の栽培には多量に肥料が必要で、肥料の妨げになる雑草の除草や防虫のために農薬も多く必要とする面がありその肥料や農薬の中には甜菜そのものに移行し残留するものがある点、土壌の放射性セシウム137の移行性が高い点があります。
甜菜糖の製造過程を経て減っていたり、検出量としては基準値内である場合も、栽培背景も考慮の上、選択肢の1つとして取り入れていくのも望ましいのかもしれません。

COMMENT COMMENT

    {genreName}

      {topics}