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米にも含まれるヒ素について

2015.03.16

投稿者
クミタス


小麦アレルギーの方には代替食品となることが多い米、米粉ですが、昨今米、米粉、米加工商品が人気であり、米の摂取機会が増えている方は多いかと思います。
農薬不使用米に配慮されている方もいらっしゃるかと思いますが、今回は米にも含まれるヒ素についてを中心にお送りします。

ヒ素とは


ヒ素は、様々な食品に含まれますが、土壌や水中、大気中にも含まれる金属と非金属の両方の性質を持つ半金属元素になります。ヒ素は炭素を含む有機ヒ素と炭素を含まない無機ヒ素に分かれ、国際がん研究機関(IARC)では無機ヒ素はヒトに対して発がん性があると評価されており、無機ヒ素3価は無機ヒ素5価よりも発がん性が高いとされています。
ヒ素は量に関係なく発がんリスクがある、含有物の摂取量が多いとリスクが高まるといった評価もあります。
参考)食品からのヒ素の摂取量が多いと、肺がんの発症リスクが高まる傾向がある
国立がんセンターなど

無機ヒ素による健康リスクには発がん性以外に、短期で大量摂取において発熱や下痢などの症状出現、長期継続摂取では皮膚組織の病変、生殖・発生及び神経発達、染色体異常などの遺伝毒性が挙げられます。

各食品のヒ素濃度について


食品中の総ヒ素濃度、無機ヒ素濃度には以下報告があります。検体差がある上に、形態別の検出・分析方法や知見が確立されつつあるところであり、またかつては総ヒ素総濃度分析のみで、無機ヒ素濃度分析がなされていないものも多かったことから、報告数値にはばらつきがあり、以下は1つの目安になります。

海藻
ひじき:総ヒ素濃度110ppm(110mg/kg)、無機ヒ素濃度77ppmほど(77mg/kg)
昆布:総ヒ素濃度50ppm、無機ヒ素濃度0.3ppm
わかめ:総ヒ素濃度35ppm、無機ヒ素濃度0.3ppm
https://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/37gou/37gou_1_8.pdf
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/hijiki.html

魚介類
カレイ:総ヒ素濃度36ppm
水だこ:総ヒ素濃度49ppm
大正えび:総ヒ素濃度41ppm
桜えび:総ヒ素濃度7.6ppm
スルメイカ:総ヒ素濃度17.2ppm
https://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/hiso_level/sakana.pdf

魚、貝類はヒ素総量は高めですが、無機ヒ素濃度としては他食品群と同程度以下と低くなります。

きのこ類:シイタケ ヒ素総量0.030ppm、シメジ ヒ素総量0.152ppm、マッシュルーム ヒ素総量2.9ppm

果物:比較的高いものとしてブドウ ヒ素総量0.058ppm、リンゴ ヒ素総量0.017ppm 

野菜:比較的高いものとしてモヤシ、アブラ菜、カブの葉等 ヒ素総量0.03~0.07ppm前後

穀類で最も高いのが米であり、米のヒ素総量のうちほとんどが無機ヒ素に該当し、無機ヒ素量としては以下量が指摘されています。

玄米0.2ppm前後(0.21mg/kg)
精米0.13ppm 最高0.32ppm(0.13mg/kg 最高0.32mg/kg)
アメリカ産米0.13ppm、マダガスカル産0.48ppmとの結果もあり、土壌、水質環境、品種、栽培方法によっても数値のばらつきがありますが、日本産の米は海外比較で無機ヒ素濃度がやや高い傾向という意見や報告もあります。

各国で生産されたコメ中の無機ヒ素濃度 
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/foreign_occurrence.html

望ましい摂取量とは


現在、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)では無機ヒ素のPTWI(暫定耐容週間摂取量:ヒトが一生にわたり摂取し続けても健康影響が現れない1週間での体重1㎏あたりの摂取量)は、0.015mg/kg 体重/週(0.0021mg/kg体重/日に相当)としています。体重50kgの方で1週間に0.75mgまでが望ましい量となりますが、基準値は変動する可能性はあります。

参考)肺がんの発生率が 0.5%増加する無機ヒ素の摂取量(=ベンチマーク用量:BMD)の安全側の95%信頼下限値)は0.003mg/kg体重/日との推定
https://www.niaes.affrc.go.jp/magazine/123/mgzn12306.html

また食品によって基準値を設ける動きもあり、コーデックスでは精米の無機ヒ素は0.2mg/kgまでと提示しています。
日本の無機ヒ素量は、平均0.13mg/kg 最高0.32mg/kgとの調査結果もあり、商品によっては基準を超過する可能性はあります。

ちなみに成人の1週間での平均的な米摂取量は1㎏ほどになり、概算で1週間で0.13mgが該当します。

ひじきの小鉢1皿分はひじき乾燥10gに該当し0.77mg

昆布をだしを含め1週間で70g(10cm角で10g)とすると0.021mg

わかめを1週間で20gとすると0.006mg

ただ、すべて生の状態で摂取をしたりするわけではなく、調理時点で流出、廃棄する分などもあり、すべての食材が上記の数字のように含有量のまま摂取、吸収しているわけではありません。
ですが、日本人の食生活においては、合計で1週間に0.75mgを超過する食事となることは難しくはないかもしれません。

また子供においては、ヒ素に限らずですが、感受性が高いため、成人より低い基準値が求められます。
 

吸収を抑えるには


アメリカなど海外においては海藻の摂取機会が少ないこともあり、ヒ素濃度の高い食品として、米が挙げられ、ヒ素濃度の高い米の摂取量を制限する声もあります。
水田で栽培する米は、穀類において最も高い無機ヒ素濃度ですが、食事の際により低減させることは可能です。

ヒ素は米のぬか部分に多く含まれると言われています。
玄米0.2ppm前後(0.21mg/kg)
精米0.13ppm 最高0.32ppm(0.13mg/kg 最高0.32mg/kg)
とあるように、米においては玄米を精米にすることで約30%無機ヒ素濃度を低減できる可能性もあります。

また、精米も米をとぐことでよりヒ素を低減できると言われています。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/qa.html#88

米ぬかも一緒に搾汁していることが多いライスミルクについては、ヒ素摂取の観点を留意しお子様が飲用する際には、長期多量摂取にならないようにすることもできると望ましいかと思います。

海藻の中でもひじきの無機ヒ素濃度は高く、英国食品規格庁により、無機ヒ素の摂取許容量の観点から、ひじきの摂取をしないようにする勧告が出されたこともあります。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2004/07/tp0730-1.html

海藻摂取機会の多い日本人においては、家での食事において、ヒ素量を低減できる方法もありますので、ぜひ実践して頂けるとよいかと思います。

・ひじきを30分水戻しをすると38%、60分水戻しをすると69%のヒ素が溶け出す
・ひじきを水戻しをした後に茹でるとさらに85%が溶け出す
・ひじきを水戻しをした際の水、煮る際は煮出した液は捨てる
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/hijiki.html

米もひじきにも言えることですが、洗いすぎても他の栄養低減にもなり得るところではあります。栽培時に米のヒ素総量を減らす方法の研究や、そして遺伝子組換え稲の開発もされていますが、まだ一般流通する段階ではありません。基準の明確化とともに、日常生活においてバランス良い食事と摂取を低減させる工夫を取っていけると良いかと思います。
 

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