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スプラウトについて①

2015.03.01

投稿者
クミタス

スプラウトとは

「スプラウト」は植物の新芽のことで、スプラウトの代表格はかいわれ大根、もやしですが、様々なスプラウトがあります。

かいわれのような見た目のものには、ブロッコリー、豆苗、そば、ルッコラ、マスタード、ラディッシュ、レッドキャベツ、青シソ、ガーデンクレス、ひまわり、コショウソウなどがあり、発芽後5~6cm程に成長したのちに日光にあて緑化させます。

もやしのような見た目のものには、大豆、緑豆、グリーンマッペ、白ごま(セサミ)、とうもろこし、アルファルファがあり、収穫まで暗い場所で光を当てずに栽培します。
 

栄養状況について


・光を当てて育成するスプラウトである、ブロッコリースプラウト、レッドキャベツスプラウト、マスタードスプラウト、クレソンスプラウト、かいわれ大根および豆苗の総ビタミンC量およびDPPHラジカル捕捉活性(抗酸化能)は、光を当てて育成しない緑豆もやし、アルファルファに比べると高い、との報告があります。

・総ビタミンC量、アスコルビン酸量においては、マスタード、クレソンではスプラウトと成熟野菜とで差はないが、ブロッコリースプラウト、レッドキャベツスプラウトではその成熟野菜よりも少ない、との報告があります。

・豆苗においては、現在市販されている生育日数よりも短い発芽4、5日後に総ビタミンC含量が最も多くなり、DPPHラジカル捕捉活性も高い、との報告があります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1987/55/2/55_2_153/_pdf

https://ir.lib.sugiyama-u.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/149/1/%E8%87%AA13%E9%96%93%E7%80%AC%E4%BB%96.pdf
 

成分について


マメ科植物の種子、スプラウトには、サポニン類、毒性アミノ酸(L-カナバニンなど)、フィトエストロゲン、アルカロイド類、縮合タンニンも含まれます。

サポニン
サポニンは大豆や小豆を煮た際に煮汁に出る発泡成分で、脂質を溶かす性質があり、様々な植物に含まれる成分ですが、過剰摂取により口腔・消化管の炎症、赤血球の膜が溶ける溶血作用や吐き気を引き起こすことがあります。

マメ科植物のアルファルファは飼料として用いられますが、アルファルファ飼料の多給により飼育家畜が発育不足になることは指摘されており、その要因としてアルファルファサポニンが挙げられています。アルファルファサポニンと同時にコレステロールの添加により成長阻害が緩和されることが報告されていますが、サポニンは他の栄養吸収阻害を引き起こす要因にもなる場合があります。
発育阻害の程度はアルファルファの品種によって異なり、サポニンの量がDuPuitsLPCでは1.09mg/gと、ナツワカバLPCの0.19mg/gより多く含み、阻害度が高くなります。またサポニンの中でザンハ酸グリコシド及びメジカゲン酸に有害可能性が挙げられています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/chikusan1924/60/7/60_7_639/_pdf

このアルファルファサポニンは、発芽後8日目までの間に2.1mol/gから6.0mol/gまで増えます。ヒトが適量摂取する上でには問題の無い量であるとの意見もあります。


L-カナバニン
必須アミノ酸のアルギニンを体内で取り込むべきところを、L-カナバニンが代わりに取り込まれてしまうことで、正常な細胞の活動や増殖を阻害してしまうとの意見があり、有害たん白質とも位置付けられています。
特に胎児、そして乳幼児の成長段階にはアルギニンを多量に必要とするため、妊娠期・授乳中のママはなるべく摂取を控えるのが望ましい成分でもあります。
L-カナバニンは全身の紅斑性狼瘡の誘発可能性があると言われています。
L-カナバニンはほとんどのマメ科植物の種子およびスプラウトに含まれ、乾燥アルファルファスプラウトの約1.5%の重量を占めています。


フィトエストロゲン
フィトエストロゲンは、エストロゲン様作用を持つ植物性のエストロゲンで、イソフラボン、リグナンはフィトエストロゲンであり、アルファルファにおいてはクメストロールが該当します。エストロゲン様作用は植物が生育中に捕食や病害ストレスを受けることで誘導されます。ヒトにおいてエストロゲンが体内で減少してくる更年期においてはフィトエストロゲンで補うことのメリットはありますが、十分に体内にエストロゲンがある年代や方に、さらにエストロゲンを摂取すると月経異常や不妊リスクが高まります。
またエストロゲン剤禁忌の方はフィトエストロゲンを多く含む食品の摂取に関しては医師に相談することが望ましいです。
マメ科植物を給餌した特に牛などの反すう家畜において不妊などが起こっているとの意見があります。


アルカロイド
アルカロイドというとトリカブトに含まれる致死性のあるアコニチンアルカロイドがありますが、他にもジャガイモの芽に含まれるソラニンに挙げられるグリコアルカロイド(ステロイドアルカロイドの一種)は、ナス科の植物(ジャガイモ、トマト、ピーマン、ナス、トウガラシなど)に含まれます。
キンポウゲ科、ケシ科、ナス科、ヒガンバナ科、マメ科、メギ科、ユリ科、トウダイグサ科、ウマノスズクサ科が体内にアルカロイドを持つと言われており、マメ科植物のアルファルファにもステロイドアルカロイドが含まれますが、過剰摂取にならなければ、スプラウト用の種として販売されているもののアルカロイドによる毒性は特別に問題視する必要はないとみられています。


同じ種類の野菜を過剰に継続摂取することは、マイナス面の影響も受ける可能性もあります。主にマメ科植物のスプラウトについてを取り上げましたが、高栄養食品であるだろうからと多量摂取にならないよう、特にサプリメントでの摂取においては種子を使用しているものも見られますので購入時に確認することが望ましいです。
またスプラウトの種類により含まれる成分が異なりますので、様々なスプラウトをローテーションするのも良いかと思います。
 

加熱調理も


諸外国ではスプラウトを原因とする食中毒事例が報告されており、日本でも以前かいわれ大根が腸管出血性大腸菌O157集団食中毒の原因食品である可能性が取りざたされたことがありました。
ある調査では、サルモネラ属菌あるいは下痢原生大腸菌などの病原細菌は検出されなかったが、一般細菌数において、スプラウトは葉物野菜に比べ1~2桁高い菌数を示した、との報告があります。またスプラウト育成1日目で急激な菌増加が認められ、種子の殻を取り水洗浄することにより1桁減少したが、それ以上の減少は見られなかった、とあります。
https://www.pref.miyagi.lg.jp/uploaded/attachment/210520.pdf

別の調査でも、サルモネラ菌、病原性大腸菌の検出はなかったが、大腸菌はカット野菜、スプラウトの検体の4%から検出された、との報告があります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfm/27/3/27_3_163/_pdf

スプラウト以外にも、カット野菜・果物、漬物においても望まない菌の発生リスクはありますが、製造・栽培工程で菌類が混入した場合、水洗いではそれほど減少しないことを踏まえ、胃腸が弱い方で心配な場合は、加熱して食するのも良いかもしれません。

カナダ保健省では子供、高齢者、妊娠中の女性または免疫系の弱っている人たちが、生または加熱調理されていないスプラウトを喫食しないよう、注意喚起しています。
https://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/securit/ill-intox/info/sprouts-pousses-eng.php


次回、様々なスプラウトの栄養面について取り上げます。

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