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酵素と食物アレルギー

2026.10.11

投稿者
クミタス

酵素はアレルゲンとなり症状を誘発することがあります。
タンパク質分解酵素の中には、WHO/IUISのアレルゲン命名データベースに登録されているものもあり、例えば以下が挙げられます。
・システインプロテアーゼ
ゴールドキウイ:Act c 1、グリーンキウイ:Act d 1、パパイヤ:Cari p 2、ブタクサ:Amb a 11 など
・セリンプロテアーゼ
マスクメロン:Cuc m 1 など
 
他にもピルビン酸キナーゼ(pyruvate kinase, PK)は、多くの生物がもつ解糖系の酵素で、
魚のパンガシウス:Pan h 9、ワモンゴキブリ:Per a 22も該当します。
 
46歳男性。ネギ,マスカットの摂取後にアナフィラキシー症状を発現した。プリックテストの結果より,ネギおよびブドウアレルギーと診断した。原因抗原に関しては,Bet v 2,ブドウgibberellin-regulated protein(GRP)のプリックテストとELISA検査がともに陽性であったが,Immunoblotでは30kDa以上の高分子量領域で白ネギおよびマスカットに対して互いに阻害をきたす陽性スポットを検出し,低分子量であるGRPやBet v 2とは別に,より強く交差反応性に関わっている高分子量アレルゲンが存在していると考えた。さらに,質量分析検査の結果,この陽性スポットはピルビン酸キナーゼであると同定され,ピルビン酸キナーゼが両者間の交差反応性に強く関与している可能性が考えられた(出典・参照:原田晋,原田朋佳,金山優花,金田晴貴,川邊智史,佐藤奈由,下條尚志,中村政志,矢上晶子.新規アレルゲン ピルビン酸キナーゼが交差抗原として作用した可能性を考えたネギおよびマスカットによるアナフィラキシーショックの1例.皮膚科の臨床.2026;68(11):1539–1542.doi:10.18888/hi.0000006129)。
 
ピルビン酸キナーゼは多くの生物種において保存された酵素であるため、異なる生物種に由来する同酵素間で、IgEが認識するエピトープが共通している可能性があります。そのため、植物学的に異なる科に属するネギ(ヒガンバナ科)とブドウ(ブドウ科)の間でも、ピルビン酸キナーゼを介した交差反応性が生じる可能性が考えられます。ピルビン酸キナーゼのアレルゲン性について他の文献なども掲載したいと思います。
 
パンガシウスによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4916

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