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湿布剤貼り付け後の症状出現②

2023.10.02

投稿者
クミタス

湿布剤貼り付け後の症状出現例については、ケトプロフェン含有湿布剤による接触皮膚炎症候群発症後、添加成分による光接触皮膚炎が続発したと考えられる例について以下で掲載をしておりますが
湿布剤貼り付け後の症状出現
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4520
今回は湿布薬に配合されたサリチル酸グリコールに反応し、湿布貼り付け部位に皮膚症状が生じるケースについて掲載します。
 
60歳台男性。両大腿の筋痛にて初診2カ月前に市販のハリックス® 55EX温感Aを貼付した。再度同剤を貼付したところ翌日に瘙痒感を自覚した。その翌日より、以前に貼付した部位も含め貼付部位に一致した境界明瞭な浮腫性紅斑を認めた。湿布薬の成分パッチテストにて有効成分であるサリチル酸グリコールが陽性を示し、本剤によるアレルギー性接触皮膚炎と診断した(出典・参照:欠田成人 済生会松阪総合病院皮膚科 市販の湿布薬に配合されたサリチル酸グリコールによる接触皮膚炎の1例)。
 
73歳女性。両膝関節痛に対し複数種類の湿布薬を代わる代わる貼付したところ、開始18日後より貼付部位にそう痒を伴う紅斑が出現したため紹介受診となった。所見では両膝の湿布薬貼付部位に一致して境界明瞭な浮腫性紅斑を認め、一部に漿液性丘疹や小水疱を伴っていた。臨床像および臨床経過から湿布薬による接触皮膚炎を考え、パッチテストを実施した結果、湿布薬のうち、オールパスTAに含有されるサリチル酸グリコールによるアレルギー性接触皮膚炎と診断された。診断後は当該成分配合薬の使用を中止し、皮疹はステロイド外用にて改善した(出典・参照:野崎由生 猪又直子 岡田里佳 綾部原子 相原道子 横浜市立大学 医学部皮膚科学教室 湿布薬に配合されたサリチル酸グリコールによる接触皮膚炎の1例)。
 
サリチル酸グリコールは血行を促進し、炎症や痛みを抑えるなどの目的で配合されている場合があり、湿布以外の一般医薬品にも使用されていることがありますが、接触皮膚炎を生じるケースもみられています。使用下で赤みや痒みが続く場合は、ご留意いただければと思います。

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