食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)において症状程度に幅があり、症状程度等では厳密には診断基準を満たさないケース 〜 呼吸が速くなり息苦しい状態、脈拍増加、吐き気、意識不良、昏睡、嗜眠などの症状を呈する代謝性アシドーシスなどを伴うなど重篤なケースも見られています。
◾️重篤な症状ではなかったケース
3歳男児.生後5か月から魚類を毎食摂取しており、生後10か月より,毎食2時間後から3~4回の嘔吐と軽度の活気不良を認めた。また魚類以外の食物を単独で摂取した場合においても、同様の嘔吐症状を呈した。しかし、これらの症状は救急受診を要する重篤な症状ではなく、Food protein-induced enterocolitis syndrome(FPIES)の診断基準を満たさず、3歳6か月に施行したサケの食物経口負荷試験において摂取3時間後に嘔吐が誘発され、サケの食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の診断に至った(出典・参照:長柄俊佑 井上祐三朗 川尻美和 重篤な症状に乏しいため診断に難渋したFood protein-induced enterocolitis syndrome(FPIES)の1例)。
◾️代謝性アシドーシスを伴う食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
2002年3月から2022年5月までの国立成育医療研究センターの診療記録を後方視的に検索し、代謝性アシドーシスを伴う食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の特徴を調査。検索した224例のうち、6例が症状出現時の血液ガス分析結果で代謝性アシドーシスを有する重症 食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES) であった。
このうち3例が慢性食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)、3例が急性食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES) であった。発症日齢、出生週数、出生体重の中央値は、日齢14、35週、2341gで、原因食物は乳であった。5例が女児で、4例がアレルギーの家族歴を持たなかった。6例全例で末梢血好酸球の増多、腹部膨満を認めていた(出典・参照:濱口冴香,山本貴和子,松本恭明,鈴木大地,梅沢洸太郎,平井聖子,豊國賢治,小笠原久子,齋藤麻耶子,石川史, 佐藤未織,宮地裕美子,福家辰樹,野村伊知郎,大矢幸弘 国立成育医療研究センターアレルギーセンター,地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院 代謝性アシドーシスを伴う食物蛋白誘発胃腸炎の特徴)。
上記では原因食物が乳、日齢が低いことなどは代謝性アシドーシスを伴う重症 FPIES の危険因子の1つとなる可能性があり、症状として腹部膨満が認められたことも報告していますが、食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の症状レベル、診断基準に関して今後も追記していきたいと思います。
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