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どんぐりによるアレルギー

2022.10.26

投稿者
クミタス

どんぐりとは複数のブナ科植物果実の総称で、ブナ科シイ・マテバシイ属、コナラ属、ブナ属のどんぐりの中で食用されるものもあり、コーヒー風味の飲料で大麦、麦芽、ライ麦、チコリ、イチジクなどが原料になる穀物コーヒーや、パンや菓子に使用されることもあります。

カシューナッツ、クルミに強いアレルギー反応を示す5歳の保育園通園中の男児。保育園で、どんぐり(スダジイの木の実)の入ったパンを作る企画に参加し、茹でた実を4粒摂取した。1時間後から眼球結膜充血、口唇の腫れ、渇いた咳が出現。オロパタジン塩酸塩(第2世代の抗ヒスタミン薬)、ベタメゾン(副腎皮質ステロイド剤)の内服後も咳が増悪し、傾眠傾向となったため、エピペン0.15mgの注射後、救急搬送となった。受診時には軽度にまぶたのむくみが残る程度で、抗ヒスタミン薬とステロイドを追加投与後、症状が再燃することなく退院した。
検査では、生のどんぐり、茹でたどんぐりともに皮膚プリックテストで陽性、血液検査(イムノブロット)では、カシューナッツ、クルミのみでなく、加熱処理したどんぐりに強くIgEが結合するタンパクが同定され、アミノ酸組成分析により、カシューナッツ、クルミ、どんぐり間で交差抗原性を有する hypothetical chloroplast RF34 が同定されています。
chloroplast​(葉緑体)

複数ナッツ間の交差反応性を含め、今後も追記していきたいと思います。

ウルシ科:カシューナッツ、ピスタチオ  クルミ科:クルミ  ブナ科:クリ、ドングリ  バラ科:アーモンド  ヤマモガシ科:マカデミアナッツ  カバノキ科:ヘーゼルナッツ

出典・参照:下条直樹 曽川一幸 武田真梨子 佐藤純一 篠崎駅前わんぱくクリニック 千葉大学予防医学センター どんぐりでアナフィラキシーを来したナッツアレルギーの保育園児における交差アレルゲン解析

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