蜂蜜によるアレルギー

https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1645 にて掲載しておりますが、ローヤルゼリーを摂取してアレルギー症状が出現することがあります。

 

23歳女性。初診5か月前に梅干し、サプリメントを摂取して20分後に咽頭違和感、呼吸苦、眼瞼浮腫、体幹の蕁麻疹が出現した。近医にてアナフィラキシーと診断され、加療を受けた。精査目的に当科を紹介され受診しプリックテストにて、サプリメントで陽性を認めた。成分別にプリックテストを施行したところ、ローヤルゼリーで陽性を認め、ローヤルゼリーによるアナフィラキシーと診断された。サプリメントは初回摂取であったが、過去にローヤルゼリー含有製品の摂取歴があり，それにより感作に至ったと考えられた（出典・参照：新谷友香 峠岡理沙 金久史尚, 益田浩司 加藤則人　ローヤルゼリーにより生じたアナフィラキシーの1例　名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学　京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学）

 

21歳女性。ローヤルゼリーグミを初めて食べた数時間後より鼻閉・両側眼周囲の腫脹が、さらに10日後に同じグミを摂取した4時間後より鼻閉・呼吸困難・全身の紅潮〜膨疹が出現。プリックテストでローヤルゼリー自体で陽性、ヨモギの特異的IgEおよびプリックテストが共に陽性であった（出典・参照：原田 晋, 森山 達哉, 田中 昭, 初回摂取時に症状が発現したローヤルゼリーアレルギーの2例, アレルギー, 2011, 60 巻, 6 号, p. 708-713, 公開日 2017/02/10, Online ISSN 1347-7935）。

酵素分解処理がなされることで、アレルギー性の低減が期待される面がありますが、酵素分解ローヤルゼリーを主成分とした健康食品を3粒摂取して10分後から目の痒み、眼瞼腫脹、鼻閉、呼吸困難感が出現した例なども見られています。
キク科植物のハチミツソウ、サフラワー、タチアワユキセンダングサなどの花の蜜は蜂蜜としても流通しており、キク科ヨモギ花粉に感作している方の中で、蜂蜜を摂食してアレルギー症状が出現することもあります。
ローヤルゼリーによるアレルギーの例やアレルゲンの特徴などについて今後もアップデートしていきたいと思います。