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腸発酵症候群とその影響可能性

2021.10.10

投稿者
クミタス

ヒトの腸管内に出芽酵母(イースト菌)が増加した状態で炭水化物を含む食事をすることで、腸内で酵母が糖をアルコールに変換し、体内でアルコールが産生されることがあるとも考えられています。

21歳男性。5年ほど前より顔面の腫脹や呼吸困難感、吐き気、下痢などが出現するようになった。症状出現頻度が増えたが、症状出現時の摂取物に一貫性がなく、連日のように症状出現が続いた。
症状出現時に呼気からアルコール臭がすることが判明し、顔面紅潮を主訴に受診した際に呼気および血中のアルコール濃度を検査したところ、高値であったが、アルコール摂取歴はなかった。
腸発酵症候群を疑い、炭水化物の摂取制限をおこなったところ、症状の出現頻度が大幅に減少した(出典・参照:奥富泰明 清水泰生 仁保誠治 武政聡浩 安藤雄基 独協医科大学病院 腸発酵症候群により誘発されたアナフィラキシーの1例)。

アルコール摂取は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの発症因子の1つでもあり、アルコール摂取下ではアレルギー症状が誘発、助長される可能性があります。
上記では腸発酵症候群により血中アルコール濃度上昇、アレルギー症状が誘発されたと考えられる、と示唆されています。
暴飲暴食や極端な食事制限、抗菌薬の使用などにより腸内細菌叢に変化をもたらした場合などは酵母が増殖するともみられていますが、腸発酵症候群、またアレルギー症状との関連についてまた掲載したいと思います。

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