食物経口負荷試験時にアナフィラキシーなど重篤な症状が誘発される場合がありますが、アドレナリン投与を複数回施行するケースにどのような傾向があるのでしょうか?
食物経口負荷試験時の重篤な有害事象の実態調査で、アレルギー症状が重症(アナフィラキシーガイドラインのグレード3)であった495例(年齢中央値5歳)の内訳としてアドレナリン投与を複数回施行したのは47例(9%)、アドレナリン投与を複数回施行した例では、1回投与例と比較して神経症状、そして循環器症状の頻度が高かった。
アレルゲンはアドレナリン投与を複数回施行した例では、カシューナッツ、そば、ピーナッツが比較的多くを占めており、38%、22%、13%であった(出典・参照:佐藤さくら 柳田紀之 杉崎千鶴子 海老澤元宏 食物経口負荷試験におけるアドレナリン筋肉注射の複数回投与に関する検討 より抜粋)
また2時間後など時間を経て症状出現した方、二相性反応を生じた方の割合例として以下報告があります。
2019年~2020年に実施した食物経口負荷試験346例(年齢中央値40か月、男児226例、鶏卵159例、牛乳117例、小麦33例、ピーナッツ10例、ナッツ9人、魚6例)のうち2時間以内に症状出現は183例(53%)、2時間超で症状出現は11例(3%)、二相性反応と考えられたのは3例(鶏卵、小麦、カシューナッツ各1例)で、遅発型反応のみの症例は5例であった。いずれも服薬、吸入もしくは無治療で軽快したが、食物経口負荷試験の実施後に二相性反応、遅発型反応を生じることがあることを改めて示唆しています(出典・参照:萩尾泰明 増本夏子 東島理絵子 桜井百子 綿貫圭介 手塚純一郎 石崎義人 国立病院機構福岡東医療センター 福岡市立こども病院 食物経口負荷試験における二相性反応・遅発型反応の実態)。
場合により食物経口負荷試験実施から2時間超後に症状が出現したり、二相性反応を生じたり、アドレナリン筋注を複数回施行することがあることを踏まえておけると良いかもしれません。アドレナリン複数回投与のリスク因子として原因抗原の完全除去を挙げる示唆もありますが、今後も情報をアップデートしていきたいと思います。
二相性反応について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2218
食物アレルギーにおける症状~神経症状(恐怖感、頭痛、元気がない、眠気など)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3745
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